俺を恨む君へ‐２‐【カ○○○】【男主】 (ページ3)

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３２話ページ3

*シンタローside

謎の男の説得にあい、しぶしぶ俺達は高校内にあったフリースペースに連れて来られ、奢ってもらった飲み物で一息ついていた。

にしても……

ｼﾝ｢…めっちゃ美味いっすね、これ」

受け取った炭酸飲料からは、今まで出会ったことのない感動を覚えた。
今までこういうの手つけた事無かったからな…すげえ美味い。
男は、心底不思議そうな表情で首を傾げた。

ﾊﾙ「でもこれ、そんなに珍しい飲み物じゃないよ？」
ｼﾝ｢もちろん知ってますよ。甘いもんあんま好きじゃないんで、わざわざ選んで飲んだりしてなかったってだけっす」

そりゃああんなにＣＭだのなんだのであんなに紹介していれば目に付く。思わず顔を顰めた。

九瀬遥、と自己紹介をしてきた男は、
「へえ、そうなんだ！じゃあ、今日の新発見ってわけだ」と微笑んできたが、普段そういう会話をしないオレは簡単な返事しかできなかった。

ｼﾝ｢…んで、これアヤノに渡したらいいんすか」

自然と足元に転がる標本に目を落とす。
すると遥さんは少し申し訳なさそうな表情になった。

ﾊﾙ「多分喜んでくれると思うんだけど…ごめんね、もしいらないって言われたら、僕らで引き取るから」
ｼﾝ｢あぁ、そうなったらそうなったで別にいいっすよ。変なもの好きな妹がいるんで、そいつに渡しときます」

……可笑しいな。

普段のAならこういう時は話に割り込んできてモモの紹介を勝手に始めるようなタイプなんだが…妙にぼーっとして空を仰いでいる。
時折浅く溜息を吐いたりもしている。

ｼﾝ｢おい、A？」
「……」

ｼﾝ｢っおい！」

心配になり、肩をゆする。
漸く気づいたようにバッと此方を見て、笑顔を顔に張り付けるA。

「…どうした？」

ｼﾝ｢どうした、じゃねえよ…こっちの台詞だわ」
「いや、ちょっと考え事をだな」
ｼﾝ｢お前考え事出来たのか」
「ちょ、失礼だなおい」

ケラケラと何時ものように笑う此奴を見て、安心した。
そんな俺達の様子を見て微笑む遥さん。

一段落したところを見計らったのか、遥さんが口を開いた。