俺を恨む君へ【カ○○○】【男主】

６話 ページ8

アイツの部屋と思われる場所は、薄暗く、部屋の中をパソコンの光だけが満たしていた。
その情景はどうも引き籠り生活まっしぐらだったころのオレの部屋に重なる。


そんな部屋の窓際。
デスクトップパソコンの前で突っ伏す彼奴の姿を見つけた。

オレが入ってきたことをまったく気にしていないように見えるその背中。
狸寝入りなのか、マジで寝ているのかは見えない。





ｼﾝ｢…おい」



声を掛けてみるも、反応は無い。

電気をつけようにもこのアジトの電気スイッチは通常の場所に無いらしく、付けようもない。
それこそ、ダーツの的にあるようなところだからな。



ｼﾝ｢……おい！聞いてんのか！？」


先ほどよりでかい声で呼びかけるも、ピクリとも反応しない。
マジで寝ているのか…

仕方なく溜息を吐き、試しに歩み寄ってみる。



フードに包まれたAだが、どうやら狸寝入りでは無かったらしい。
しかし、わざわざコイツの所まで出向いたというのに収穫が無いのは少々癪に障る。


眠りから覚ます程度に、Aの身体を揺すった。









………が








揺すった後、オレの手から離れたAの身体は机の上、元の位置へと戻ることなく
力無くぐらりと揺れ、やがて椅子から床へと崩れ落ちた。





そんな情景は、オレにとってはゆっくりと瞳に映った。









　 やっとのことでオレの口から出たのは、「……え？」と言う情けない言葉だけだった。








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