一夜限りの関係です。 (ページ21)

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あの日から、頻繁にあそこのカフェを訪れるようになった。通勤前、通勤後、暇さえあればここで休憩したりしちゃって

おかげで、店員さんに顔を覚えられてしまった

『えーと、』

「…いつものですか？」

カフェモカをください。そう口に出そうとした瞬間、目の前にいる店員さんに遮られてしまう

『え、あ！はい、お願いします』

予想外の出来事に思わず動揺する私
そんな様子を目にした店員さんはクスッと、口元に薄笑いを見せた。

「すみません、いつも同じもの頼まれるので」

まあ、これだけ通ってたら流石に店員さんも覚えちゃうか…。

少しの恥ずかしさを胸にし、会計を済ませると私の特等席へ向かう

…うそ。

誰か座ってるんだけど

はあ、ついてないなとため息をこぼし特等席ではなく、1個後ろの席へと腰を下ろす

あそこの席が1番外の景色見れるのに…。

「ヒョン！」

近くから、聞こえる突然の声に反応し、顔を上げると先程の店員さんが親しげに私の特等席に座ってる人物と話していた。

その人物は後ろ姿だけで、私の視点からは中々顔が見えない。

『なんか見た事あるような…』

誰だろう～、知り合いかな。
なーんて不審者ごとくチラチラと様子を伺っていると、店員さんがその人物に少し笑みを浮かべた

「ベッキョニヒョン来てくれたんだ」

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