永瀬くんは同級生 Ren.N (ページ29)

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episode29 ページ29

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「聞こえた？」

樹「……え、いや、聞こえては……ない、かも、」

歯切れの悪い樹くんに

今日の出来事をすべて話した

永瀬くんが熱を出したことも、私が嘘をついて看病したことも。

樹「じゃあ、思考回路が追い付いてないのね、うん、そーゆうこと！」

"好き～"

思い出すだけで胸が焼けそう

とにかく私たちはその場で呆然とするしか出来なかった

「……っ、永瀬くん？」

また永瀬くんのマンションにお邪魔して

永瀬くんの居る大きなベッドを見る

廉「んー、あ、ミナトちゃん！

俺な？熱下がってん！ほら、見てみて」

そう言って永瀬くんに手を引かれる

グイッと引き寄せられた頃には

永瀬くんのおでこと私のおでこが控えめにぶつかった

今の私には刺激が強すぎて

思わず頭を抱えたくなる。

廉「ど？下がってるやろ！喋りやすくなったし！

もぉほんま、Aのおかげ。」

「A……？」

永瀬くんに、初めて名前を呼ばれた。

廉「んふふ、ミナトちゃん、ありがとうね」

私をドキドキさせる天才な彼。

さっきの爆弾発言は忘れているようで

私とは違って大袈裟に笑う君が目の前にいた。

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