だったら、自分が、親友に ページ10
二人はとぼとぼと帰っていた。
何となく気まづくて、お互い話しかけたりしなかった。
綱吉は重たい雰囲気が耐えられなかったので一刻も早く帰りたいと早足になる。
そして、分かれ道。
「新一、じゃあね」
「………」
新一は俯いて、じゃあな、と聞こえるか聞こえないかの声で言った。
隣を歩いていたので余りよく見ていなかったが、ふらふらと歩く彼は軽く押せば倒れそうだ。
「待って新一!!」
このままじゃいけない気がして、新一の腕を掴む。
「あー…夕飯食べていかない?事件見た後1人ってのも何かやだし」
「…今日はやめと「来るよね?俺今日は得意料理作る予定だから食べてけ、感想(褒め言葉のみ)残してから帰れ」
半ば強引に、新一の首根っこ掴んで引きずっていった。
その間、新一が何か呻き声やら首がしまるだのと文句を言っていたが無視した。
「どーぞ召し上がれ」
「食欲ない…「食え」
綱吉の剣幕に押され、少しずつ食べ始めた。
「新一はさ、自分が何で叩かれたか分かってる?」
びくりと肩を揺らして新一はかすれた声で言った。
「……俺が、人が死んだってのに不謹慎な事をしてたから」
「分かってないね」
「え…...」
新一は本当に分かっていない顔をして、顔を上げた。
(新一は、可哀想だ)
綱吉はそう思った。
まだ高校生の子供だというのに、両親は近くにいない。叱ったり、褒めたりしてくれる親が近くにいないのだ。
(俺には、たくさんいたから……)
馬鹿な事をすれば止めてくれる友達が、蹴り飛ばしてくれる先生が、受け止めてくれる母親が、綱吉の周りにはいたのだ。
(新一は、強がりだから)
新一の周りには、褒めてくれる友達が居ても、止めてくれる人はいない。新一が凄い人だと周りは決めつけて、頼ってしまうからだ。
幼い頃からいる蘭だって、新一を止めはしない。
(だったら俺が、殴ってでも止める様に)
以前、止める事を諦めた自分に後悔する。
彼を止めてやれる友達に、喧嘩できる親友に、頼れる存在に。
並盛にいる、自分の仲間のように。
綱吉はしっかりと、新一を見据えた。
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暁月臨(プロフ) - ゑ、、、、、、!?終わり、、、??!!え、お願いします!!続きをどうか、、、、、!!!!!! (8月8日 14時) (レス) @page50 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
namikazeminato2(プロフ) - かなり設定が好きなので続いてくれると嬉しい (2021年7月24日 11時) (レス) id: 1dcca53fd9 (このIDを非表示/違反報告)
姫野 - 終わり・・??つ!づ!き! (2021年1月23日 13時) (レス) id: dff9124b0b (このIDを非表示/違反報告)
wayu0112(プロフ) - 続きはどこですか?! (2019年8月9日 20時) (レス) id: bed71cde77 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 好みドンピシャでした…続きは無いのでしょうか。 (2019年7月25日 14時) (レス) id: e74652a353 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yuyua x他1人 | 作成日時:2016年5月30日 7時