コナン×リボーン

優しいんだよ ページ50

「あー灰原、悪かった、ツナは勘が鋭くて……「彼は何者なの」


灰原は膝に手を置いているが、その手は震えていた。


「あんな人見たことがない。見た目はただの高校生なのに、なのに、裏の、黒い影がちらつく。私を見る目、あの目！！彼は確かに、確かに裏の人間よ！！」


灰原が怯えたように叫ぶ。

コナンは苦笑いした。


「ツナ、ってさ……凄く優しいんだよ」


「え？」


「事件が起きた時、俺は犯人を暴こうとするけど、ツナは違うんだ。何故か犯人の側にいて、心を落ち着かせるように話しかけたり、優しく接したりするんだ」


それで、うまくいけば自首してくることがあった。

そこまでうまくいかなくても、暴れたり、第2の殺人を犯したりすることはなかった。

綱吉が側にいるから犯人もうまく動けないのだ。


「アイツがいると、傷つく人が少なくなるんだよ」


「彼は犯人をあなたより早く見つけられるってこと？」


コナンは頷いた。


「聞いても、勘が良いからって」


「怪しいわ」


「けどさ、俺はそんなことできないんだよ。どんな理由があっても犯罪は犯罪で。推理ショーなんて馬鹿げたことやって、目先の事件しか見てない。でもツナは、次の被害を見て、犯人のことを見て、傷つく人を少しでも減らそうとする」


推理ショーなんて馬鹿げている、と言って頰を叩かれたことを思い出す。

あの叩かれた痛みを忘れちゃいけない、あの時は不貞腐れていたけれど今はそう思っていた。


「そんな優しい奴を、疑いたくないんだよ、ただの友達で、親友でいたいんだ」


灰原は目を細めて、冷たい言葉を放った。


「その優しさも、友達すら演技の可能性があるのよ？後悔してからじゃ遅いわ」


コナンは分かってるよ、と小さく呟いた。

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