コナン×リボーン

高校生ってだけでも問題 ページ11

【綱吉side】

「順に言うから、新一の悪い所」


まず一つ目、と指を立てる。


「新一が高校生だから」

「え？？」


前のめりになって真剣に聞いていた新一はきょとんとした顔で姿勢を戻した。


「いいから聞いててよ。二つ目、マスコミに注目されすぎ」


二つ目、と指を出す。

新一はハテナマークを浮かべて理解できていなさそうなので、説明する事にした。


「身内が亡くなった事件が起こったとするでしょ。野次馬が周りにいるのって、イラっと来ない？」

「……まぁ、うん」


(響いている気がしない……)


新一は身内が亡くなった事がないから余り想像できないのだ。

リボーンの様にもっと厳しくできたら、山本の様にもっと相手の身になれたら。

どちらもできない自分が不甲斐ない。


「あー……例えばさ、毛利さんが亡くなったとするでしょう」

「は！？」

「嫌、例えばだから、例えばの話」


一番身近な例でパッと浮かんだのが蘭だっただけで、他意は無い。新一は嫌そうだったが。


「そしたら新一はどんな気持ち？」

「そりゃ…悲しいし、辛いけど」


新一はちょっと照れて言う。惚気を聞く為に話をしているんじゃない、と 呆れてくる。


「その時さ、野次馬が周りに集まって、毛利さんの事をよく知りもしないのに亡くなった理由を勝手に想像しだしたり、有る事無い事話し出されたらどう思う？」

「っ！怒るに決まってんだろ、蘭の何を知ってんだよ、見世物なんかじゃねえのに」


身を乗り出す新一。


「そういう事だよ」

「！ーーけど」


口唇を尖らせて不服そうに呟く。


「俺のは推理だし」

というが、

「推理とか関係ない」

と、一蹴した。


「高校生探偵なんて言われていようが、大事な人が亡くなった辛い時、ただの野次馬と同じだ」

「それに高校生のガキがうろちょろして、ドヤ顔してマスコミとかに写真撮られて、その事件よりも注目されてるんだ」

「そしてその高校生を目当てに野次馬がどんどん集まりだす」


新一は今にも泣き出しそうな顔をしていた。


(父親の優作さんも推理とかしてたらしいし、憧れもあったんだろうな)


同情はあるけれど、ここで止めたら新一は変わらない子供のままだ。



「もし、俺の大事な人が亡くなって、そんな高校生がいたらさ」



自分の表情がよく分からない。


笑っているのか、怒った表情なのか。




けれど、きっとーーーー。




「殺してやりたくなるよ」


きっと笑っていたのだろう。

悪い所なんて認めたくない→←だったら、自分が、親友に

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す