第35話 ページ37
翌日の私の気持ちは、晴れ晴れしていた。
目覚めも良くて、余裕を持って支度をしていた。
下へ降りると、お母さんが眉を下げて笑った。
「おはよう、Aちゃん。早いのね」
お母さんにそう言われて時計をみた。
六時過ぎ、か……。
「おはよう、お母さん。今日は早く起きちゃって」
「あら……。よく眠れなかった？大丈夫？」
お母さんは心配そうに私をみつめた。
……眠れなかった、か……
むしろ、よく眠れたよ……？
だって、どうすればいいのか、わかっちゃったんだから……
「ううん、そんなことないよ！……あ。私、今日小テストがあるからちょっと勉強してくるね」
そう、どうすればいいのかわかったんだよ、私。
「そう？じゃあ朝ご飯ができたら呼ぶわね」
もう全部失わない方法をみつけたの。
「うん、ありがとう」
____絶対にすべて、失いたくない……
＊
驚いた。
これは、予想外だった。
朝ご飯を食べて、いつもより早く家を出たのに……
なぜか、1人の男の子が私の家の前に立っていた。
……フェイだ。
「おはよう、A。早いんだね」
フェイはにこりと笑って言った。
私は目を細めてフェイをみつめる。
今は、会いたくないのに。
タイミングが悪すぎた……。
私が家に戻ろうとすると、フェイに腕を掴まれた。
「あれ……なにしてるの、A。一緒に行こうよ」
私が振り返ると腕を離して、手を繋いできた。
ゾッとした。
あああああああ……！
違う、私とフェイはそんな関係じゃないの……！
「離してっ！！」
怖くて、思いきりフェイの手を叩いてしまった。
そのときのフェイの表情は、驚いていたわけでもなく、悲しんだわけでもなく、怒ったわけでもなかった。
ただ、私を心配そうにみつめていただけ。
「……A」
「やめて……」
「A！」
「ほっといて！今フェイと２人になりたくないの！」
今日、全部やり直すつもりだったのに。
どころかフェイを傷つけることを言ってしまった。
人ってなんでこんなに、簡単に涙が出てくるんだろう。
「………っ……」
朝から泣いてしまうなんて、本当に私は弱い。
「A……？どうしたんだ」
京介も家から出てきた。
そして私に駆け寄る。
私、もう……全部終わらせたい。
私は両手で顔を覆いながら、静かに言った。
「こんな思いするなら……もう誰とも……フェイとも京介とも付き合いたくないよ……！」
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さあや(プロフ) - のん＊みんてぃさん» のん＊みんてぃさんはじめまして！ありがとうございます……！！(T_T)完結までもう少しお付き合い下さい！ (2017年6月10日 19時) (
レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
のん＊みんてぃ(プロフ) - 面白かったです!!これからも頑張ってくださいね!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: e80e7720ad (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 氷さん» 氷さんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます……！！(；_；)めちゃくちゃ嬉しいです！この作品作ってよかったです……！読み返したりなんて嬉しすぎます！次の更新までお待ちください……！！ (2017年4月3日 8時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
氷(プロフ) - こんにちは！こーゆー作品をずっと求めてました！！毎日暇があれば読み返したりしてます(^^)この作品のおかげで前よりもフェイがもっと好きになりました！(*^ω^*)次の更新が待ちきれない…(〃▽〃)応援してます(^^) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7ae4d542b5 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - ナイル川さん» もうそろそろ終わりに近づいて来てますね……(T_T)悲しいなんて、、優しいお言葉ありがとうございます……！！本編は終わっても、番外編とかは出したりしようかな？と思ってます！ (2017年4月1日 0時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さあや | 作成日時：2016年8月15日 13時
