第33話 ページ35
”好きな人がいる”
その言葉は俺の胸を深く突き刺した。
俺はわかっていた。
葵が、俺のことを恋愛対象として見ていないことを。
でも、葵に好きな人がいたなんて、それは知らなかった。
…………葵、泣いてる。
「……え、葵。その、フラれたってこと？」
あまり深く踏み込んはいけないところと気づいた。
でも、俺は聞いてしまった。
「ううん……。告白する前に、気づいちゃった………。私、好きな人なんて、いたことなくて。初めてだったから、浮かれすぎだったんだね…」
葵は変わらず涙を流している。
俺は、蒼の言葉で悲しくなった。
でも……心のどこかで、安心していたんだ。
葵の恋が実らなくて、よかったって…………
でも葵は今まで話してくれなかったことを話してくれた。
好きな人のこと。
俺が告白したのに好きな人のことを話すってことは、それは……
それはもう、フラれたってことだ。
「きっと、葵は頑張ったよ。俺は葵の好きな人が誰なのか知らないけど……葵はきっと、必死に好きな人に振り向いてもらえるように努力してたんだって、わかるよ」
俺がそう言って微笑むと、葵は泣くのをピタリとやめて、笑った。
そう、その顔。
俺は……その笑顔が見られるだけで。
俺は葵を笑顔にさせられるだけでいいんだ____
「……ありがとう、天馬。私……やっぱりちゃんと、告白して、フラれてくるよ。次会うときに……返事、してもいいかな」
それが葵の提案だった。
「……うん」
葵は優しいから、好きな人のことを諦められないまま俺と付き合うなんて、できないんだ。
「フラれたら天馬と付き合うとか、OKされたら天馬と付き合わないとか……そういうのじゃないからね。…………いや、まずフラれるってわかってるんだけど」
葵はそう言って苦笑いした。
でも、どうしてそんなに自信がないんだろう。
「……葵は……その好きな人にフラれるって、なんでわかるの？やってみなきゃわからないことだってあるのに！」
俺は悔しくなって言った。
本当は辛かった。
葵がフラれる覚悟までして告白したい相手がいるなんて。
「…人って好きな人のことになると、普段とは違う表情をしたり、行動をするの。だから…気づいちゃうんだ」
葵はそう言うと立ち上がった。
「…あ、葵…」
俺があわてて引き留めようとする。
葵はそれをみてニコリと微笑んだ。
俺に軽く手を振り、走って行った。
＊
葵ちゃん(T_T)
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さあや(プロフ) - のん＊みんてぃさん» のん＊みんてぃさんはじめまして！ありがとうございます……！！(T_T)完結までもう少しお付き合い下さい！ (2017年6月10日 19時) (
レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
のん＊みんてぃ(プロフ) - 面白かったです!!これからも頑張ってくださいね!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: e80e7720ad (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 氷さん» 氷さんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます……！！(；_；)めちゃくちゃ嬉しいです！この作品作ってよかったです……！読み返したりなんて嬉しすぎます！次の更新までお待ちください……！！ (2017年4月3日 8時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
氷(プロフ) - こんにちは！こーゆー作品をずっと求めてました！！毎日暇があれば読み返したりしてます(^^)この作品のおかげで前よりもフェイがもっと好きになりました！(*^ω^*)次の更新が待ちきれない…(〃▽〃)応援してます(^^) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7ae4d542b5 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - ナイル川さん» もうそろそろ終わりに近づいて来てますね……(T_T)悲しいなんて、、優しいお言葉ありがとうございます……！！本編は終わっても、番外編とかは出したりしようかな？と思ってます！ (2017年4月1日 0時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さあや | 作成日時：2016年8月15日 13時
