第29話 ページ31
そのとき、いきなり教室のドアが開いた。
……えっ……
そんな、フェイ、鍵をかけてたんじゃ____
京介が見えた。
待って………今フェイと……
フェイと抱きしめ合っているのを京介に見られてしまった。
……そして、京介と目が合って。
何も言わず、じっと私達を見ている。
…………なんか、やだ……
私はすっとフェイから離れた。
そして京介から目をそらした。
……京介に見られたことがなぜか、嫌。
「…剣城。……あと、黄名子？」
フェイはそう言って振り返り、廊下のほうをみる。
…………京介と、黄名子ちゃん？
黄名子ちゃんは静かに京介の後ろから現れて、教室に入った。
黄名子ちゃんの手には教室の鍵があった。
黄名子ちゃんが鍵を持ってきたんだ…
なんか……この雰囲気、嫌だ……。
……今の黄名子ちゃん、なんか、怖い……。
「フェイ。こんなことやめるやんね」
黄名子ちゃんがそう言うと、京介も口を開いた。
「……Aに何した。なんでお前はそうやってAを束縛するような____」
あ……
少し胸が痛んだ。
さっき、フェイは……
「……なんでそんなこと君達に言われなきゃいけないの？」
フェイは不機嫌そうに言った。
すると今度は悲しげに笑って____
「……誰かさんに奪われるかもしれないから……必死で守ってるのに……それがそんなにダメなことなの！？」
…………フェイ。
京介と黄名子ちゃんも言葉を無くしていた。
フェイは走って京介と黄名子ちゃんの間を通り、教室から出ていった。
「……っ、フェイ！」
どうしよう……
私のせいなのに。
京介に好きって言われて揺らいでた私が悪いのに。
ごめんなさい…………
フェイ……京介……ごめんなさい……。
ダメだ……気を抜くとまた泣きそうになる。
二人に心配されちゃダメなのに。
「……Aちゃん、大丈夫っ？」
黄名子ちゃんが駆け寄ってきた。
いつもの黄名子ちゃんだった。
「う、うん……」
……あぁ……黄名子ちゃんが来てくれてよかった。
今……京介と目を合わせたくない。
私、最低だ。
フェイが好きなくせに、
フェイを選ぶくせに、
京介が好きなんだ……
京介が葵と付き合うなんて、許せないんだ……
こんな私……最低だよ……。
「……ミーティング、始まっちゃうやんね。早く行こう」
私は頷いた。
そして会議室まで行く途中、京介の袖を引っ張って、小さく「ごめんね」と呟いた。
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さあや(プロフ) - のん＊みんてぃさん» のん＊みんてぃさんはじめまして！ありがとうございます……！！(T_T)完結までもう少しお付き合い下さい！ (2017年6月10日 19時) (
レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
のん＊みんてぃ(プロフ) - 面白かったです!!これからも頑張ってくださいね!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: e80e7720ad (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 氷さん» 氷さんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます……！！(；_；)めちゃくちゃ嬉しいです！この作品作ってよかったです……！読み返したりなんて嬉しすぎます！次の更新までお待ちください……！！ (2017年4月3日 8時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
氷(プロフ) - こんにちは！こーゆー作品をずっと求めてました！！毎日暇があれば読み返したりしてます(^^)この作品のおかげで前よりもフェイがもっと好きになりました！(*^ω^*)次の更新が待ちきれない…(〃▽〃)応援してます(^^) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7ae4d542b5 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - ナイル川さん» もうそろそろ終わりに近づいて来てますね……(T_T)悲しいなんて、、優しいお言葉ありがとうございます……！！本編は終わっても、番外編とかは出したりしようかな？と思ってます！ (2017年4月1日 0時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さあや | 作成日時：2016年8月15日 13時
