第25話 ページ26
やだ……怖い。
フェイと２人きりになってしまった。
フェイは黙って教室のドアに鍵をかけた。
……フェイ……！
そして私とまた目を合わせる。
暗く沈むような目だった。
光も宿していない、私しか映してない。
「フェイ、フェイがやったの？」
ジャージ……落としたとしか考えられないけど……落とした覚えがない。
それにフェイを疑いたくはないけど………そっちのほうが辻褄が合う。
「なんのこと？ひどいなぁ、疑うなんて」
フェイは笑いながらゆっくり近づいてくる。
反射的に後退りしている私。
でもフェイはすぐに私に近づく。
「………………や、」
「A、かわいい。好き。僕のもの……」
フェイは自分の指と私の髪を絡める。
そのまま私の髪を自分の口元に近づけ、そっと口付けた。
…………フェイ……私は、フェイのことが好きだよ。
でも、今のフェイは、怖い……！
フェイと顔が近くなったところで、私は俯いてしまう。
「…………っ」
今のフェイとキスするの、怖いよ…。
「……A、顔上げて」
私は黙って首を横に振った。
怖くて、怖くて。
倉庫のときみたいには、なりたくない……！
しばらく無言が続いて、フェイはため息をついた。
するとフェイの手が私の胸のほうにのびて____
「……やっ！フェイ____」
思わず顔をあげてしまう。
……フェイ……！
や、だ……
キスってこんなに、苦しいものだっけ……
いつもより長くて、なかなか離れてくれない。
フェイはずっと目を閉じていた。
「……んっ……」
私がフェイの肩を押そうとすると、フェイは目を開けて私の両方の手首を掴んだ。
……痛い……。
……息ができない……
クラッとしたところでやっとお互いが離れた。
倒れそうになる私をフェイが支える。
そして____フェイに抱きしめられた。
____そのときのフェイの腕の力の強さは異常だった。
「い、痛いっ……苦しいよフェイ…！」
必死に離れようとしても、離れない。
「A、……大好きだよ……。……ねぇ、いっそ一緒に死んでくれないかな…」
その一言に私はゾッとした。
冗談に聞こえなかった。
「や、苦しい……っ……フェイ………ぁ……っ」
フェイに指で背中を撫でられて、ビクッと震えた。
「剣城にもこうやって触れられたんでしょ？あはは……っ、ありえない。Aは僕のなのにね…？」
その日、フェイの心の全てを知った気がした。
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さあや(プロフ) - のん＊みんてぃさん» のん＊みんてぃさんはじめまして！ありがとうございます……！！(T_T)完結までもう少しお付き合い下さい！ (2017年6月10日 19時) (
レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
のん＊みんてぃ(プロフ) - 面白かったです!!これからも頑張ってくださいね!! (2017年6月10日 17時) (レス) id: e80e7720ad (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - 氷さん» 氷さんはじめまして！嬉しいお言葉ありがとうございます……！！(；_；)めちゃくちゃ嬉しいです！この作品作ってよかったです……！読み返したりなんて嬉しすぎます！次の更新までお待ちください……！！ (2017年4月3日 8時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
氷(プロフ) - こんにちは！こーゆー作品をずっと求めてました！！毎日暇があれば読み返したりしてます(^^)この作品のおかげで前よりもフェイがもっと好きになりました！(*^ω^*)次の更新が待ちきれない…(〃▽〃)応援してます(^^) (2017年4月3日 0時) (レス) id: 7ae4d542b5 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - ナイル川さん» もうそろそろ終わりに近づいて来てますね……(T_T)悲しいなんて、、優しいお言葉ありがとうございます……！！本編は終わっても、番外編とかは出したりしようかな？と思ってます！ (2017年4月1日 0時) (レス) id: 17a33e2589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さあや | 作成日時：2016年8月15日 13時
