第8話 ページ8
・
kn side
両親のためにあそこまでやるAが羨ましいと思った。
俺は両親から何もされず何もせずの関係だったからAを手伝う事で自分の嫌な気持ちをはぐらかそうとしているのかもしれない。
現に関係を切ったのは向こうやけど。
涙を流しながら理不尽な現実に怒る彼女を義理にも
綺麗だと思った。俺もあんな風になりたかったなぁ、なんて他人事のようには思えなかった。
『計画を一人で建てたい』
『此処からは出ていきたい』
この二つは本当は否定したかった。
でもAの意思を曲げたくなかったから俺は承諾した。
もしかしたら嫌われたくない。その一心だったのかもしれない。
恐らくずっと変わらないのは、
"俺がAの居場所になる"ということやと思う。
生まれてずっと孤立していた似た者同士の仲間の心に
灯火を俺が照らしたいんや。
ぼやーっと不思議な事を考えているとあっという間に
幹部室についた。
kn「皆んな、すまん！！！！！！
奴を取り逃してもーた…今頃街を必死に走ってるとこや」
ut「シッマ！！！！！」
ci「逃げるなんて……妥協のない奴ですよ」
em「彼女がまたいつ此処にくるか分かりませんね」
tn「ただなる嫉妬や！嫉妬！！！！」
zm「記憶がないときに人を殺すのは仕方ないやん？
羽奈、気にせんくてえぇからな？」
un「逮捕……しゅる？」
zm「せぇへん！せぇへん！！」
sha「俺たち仲間やろ？ずっと一緒や！！」
ずっと一緒におった仲間にこれ程幻滅するのは
初めてだった。嘘やろお前ら
冷静になって考えてみー？
今まであいつがどんな辛い思いをしてきたか
もうこの女に毒されてるお前らじゃ分からへんか。
shp「部長？どしたんすか随分物静かっすね」
kn「そうか？いや羽奈が無事で良かったわ〜」
こんなん嘘や。
自分が羽奈に抱いている感情が酷く汚くとてもA、
幹部たちには言えない事だと察しがついた。
昔まで好きやったのに。
どっちか分からない自分の心に手を当てて聞く。
"俺は羽奈とA。どっちの側に入ればいい？
相応しい？"
返答が返ってくることは無かった。
部屋の隅に行き羽奈を囲む連中を睨む。
時々、オスマンと目があったが笑って誤魔化した。
するとロボロが近くに寄ってきた。
此奴は観察眼が鋭く腑に落ちない奴。
rb「もう決まっとるんちゃうか？Aちゃんやって」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 421人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜の穂 - すごく心が動かされました。両親の目の前でぼろぼろと泣いてしまいました…応援しています！！ (2022年11月26日 14時) (
レス) @page31 id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 今まで私が見た作品の中で一番深いお話でした。こんなに先が読めない面白い作品をありがとうございました。これからも影ながら応援させてもらいます！次回作も楽しみにしています！ (2022年9月18日 16時) (レス) @page31 id: ec1cc362d4 (このIDを非表示/違反報告)
インク - 死んだものは二度と生き返らない。殺した理由も記憶がなかったとかなんとかですまさしてはいけない。これは私の感想ですが、命の大切さというものが感じられました。少し遅れましたが、完結おめでとうございます！！！ (2022年9月17日 19時) (レス) id: a2f12395c4 (このIDを非表示/違反報告)
なつき(プロフ) - インクさん» もうラストへ迎えつつあります！応援嬉しいです。ありがとうございます！ (2022年9月2日 2時) (レス) @page18 id: 661051ea1e (このIDを非表示/違反報告)
インク - 物語もついにクライマックスか！作者様、最後まで頑張れ！！ (2022年9月2日 0時) (レス) @page17 id: a2f12395c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なつき | 作者ホームページ：作品の温度差で読者様に風邪を惹かせる
作成日時：2022年8月25日 2時
