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トントンさんはグッと堪えた様な顔で私を見つめる。
本当に泣かないように調教されてるんだ
多分彼は泣くのが怖い。
もし涙を流したら自分も仲間もどんな目に合うか分からないから。優しいトントンさんのことだ。
きっと彼はずっーとずっと泣いていない
その"泣いちゃいけない"っていう優しさがトントンさんを傷つけ続けてこんな重荷になった
『トントンさんのその優しさがどうか貴方を殺していませんように』
これ以上貴方を傷つけてしまう優しさなんていらない
でもこれ以上私からは何も言えない
今の彼に言葉を掛け続けるのは返ってプレッシャーになる
私は振り返って意識を失い横になったチーノさんの看病をする。敢えてトントンさんの顔を見ないでチーノさんを治療した。
・
「…っ」
声にならないような甲高い震えた音
後ろから聞こえる水が滴る音
「心が麻痺して痛いのも苦しいのも分からなかった。でもさっきしばらく会わないと思っていた使用人の顔を見たとき今までにないくらいの恐怖感を抱いた。呼吸が乱れて手先が震えた。
目の前に立ってくれたあんたが眩しかった、。自分達以外で俺のことを庇ってくれた人がいたのが嬉しくて忘れた感情がまた芽生えた
とっくに捨てたこの感情の名前も分からん。ただ出さないと決めた涙が急に出そうになった。ははっなんで今俺、泣いてるん、かなぁ」
震えた声でトントンさんはそう言った。
まだまるで泣く事を拒んでいるように
トントンさんのところまで歩いて行ってずっと上背のある彼のびしょびしょな頬を触る
『私たちは"人間"なんだから涙が出るのはなんもおかしいことじゃないんです。貴方の頬を濡らすこの水だって私は愛してる』
彼は頬を触っている私の手に自身の手を添えた
『貴方が生きてくれて私が勝手に嬉しがってる。私が勝手に救われてるだけなの』
「でも俺はっ、ずっと死にたい…」
彼がそう言った後、頬に水が落ちてきた。
ハッとして顔を見る。
紅く色づいていて涙でぐしゃぐしゃなその顔はなんて愛おしいんだろう
『…じゃあこの世で一番幸せになってから死のう』
貴方の背中はずっとボロボロだった。
きっと限界なんて超えてる。
貴方のその傷だらけの背中も心も私が全部受け止めるから。
一緒に歳をとって幸せに囲まれて死にましょう
「ふはっ、人って嬉しいときに涙が出るんやね」
そのとき私が見たトントンさんの顔は今この世界で誰よりも綺麗な笑顔だった。
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りす(プロフ) - 好きです〜！wrwrdのみんなと夢主ちゃんには幸せになってほしいです！頑張ってください〜！応援しています！ (9月13日 8時) (
レス) @page31 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
まる麺 - 面白いです！これからも無理のないように更新頑張ってください！ (8月31日 23時) (レス) @page30 id: 81fa0833c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬか - 好みだぁ…………………！ (7月29日 15時) (レス) id: 6a6324a65b (このIDを非表示/違反報告)
烏丸 - 一気読みしました！面白いしそれぞれの過去がもう…(泣)応援してます！！ (5月22日 22時) (レス) @page27 id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろぉ(プロフ) - 更新ありがとうございますーー！！！ (5月20日 11時) (レス) @page27 id: f13e73b476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつき | 作者ホームページ：作品の温度差で読者様に風邪を惹かせる
作成日時：2022年11月23日 16時
