#早退理由 ページ13
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佐久間視点
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昼休憩の時間が終わり5時間目の授業。
5時間目の授業は英語で睡魔が半端無く俺を襲う。
英語の先生が英文を読み上げる途中
渡辺君はスクール鞄を背負い席を立った。
先生が吃驚した目で渡辺君を見詰めた後
「着席しなさい」と軽く注意をする。
渡辺君は注意を無視して教室を出た。
何故勝手に授業を抜け出すのか。
俺には関係無い事だけど疑問で仕方無い。
俺は先生に嘘を付いて教室を出た。
廊下を歩く渡辺君の後ろ姿を発見して声を掛けた。
不機嫌な顔を俺に向けた渡辺君。
俺を軽く睨み付けて再び歩き出した。
俺の事を面倒臭いと思ってるんだろうけど
そんな事俺には関係無いから。
佐「勝手に授業抜けて何処行くの？」
渡「御前には関係無えだろ」
佐「..【田中樹】が関係してるの？」
図星突かれた表情に変えた渡辺君。
田中樹に会うために英語の授業を抜けたんだ。
昼休憩の時に聞いた田中樹の噂話。
渡辺君が以前も田中樹と絡んでいた事。
最近また関わりを持ち始めた。
渡「俺の事情に踏み込んでくんなよ陰鬱。」
佐「田中樹と絡むのは危険過ぎるよ。」
無関係の俺が口出ししたところで意味無いのに。
何故か彼を止めないといけないと思って..
今此処で渡辺君を止めないと
彼が本当に悪い道を進んでしまう気がする。
佐「無関係の俺じゃ説得力無いけど
渡辺君が田中樹と絡んで道外すのは絶対駄目。
深澤君達が渡辺君の事心配してるんだよ。」
渡「..御前深澤と絡み始めてから調子乗り過ぎ。
彼奴等は御前を【友達】と認めてるけど
俺は御前を友達とは認めてねえからな。」
「陰鬱野郎は早く消え失せろ」と言葉を残した渡辺君。
確かに俺は陰鬱野郎かもしれないけど、
佐「俺は絶対に渡辺君を止めないと駄目なんだ！」
渡「..何言い出すかと思えば、馬鹿じゃね？」
渡辺君が距離を詰めてくる中
俺の背中に当たったのは壁で逃げ場が無い。
渡「陰鬱野郎が生意気言うなよ、ムカつく。
御前に説得されて俺が素直に言う事聞くとでも？」
佐「俺は、ただ渡辺君を止めたくて..」
渡「馬鹿じゃねえの御前。
二度とその面見せてくんじゃねえぞ」
俺を睨み付けた渡辺君は
チッと軽めの舌打ちをした後去って行った。
足の震えが止まらない俺は、結局弱虫のまま。
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作者名：芋焼酎之助 | 作成日時：2021年6月1日 23時
