・戦い方と救われ方−3 ページ16
「…決めた」
環火は少し笑う。瞳はきらりと輝いた。
思いついた作戦はありきたりで、子供のような単純なものだが、今はこれしか考えられない。何連続、技を出せば良いだろうか。
「おう、逃げるのをやめよったな」
環火は、ばきっと枝を踏んだ。頭を冷やせ。心を燃やせ。これは攻撃だ。諦めなんて許されない。
「(伍ノ型、炎虎……弐ノ型、昇り炎天)」
予想通り、頸を斬られても鬼は動じないし復活はどんどん早くなっている。しかし攻撃はこれだけではない。頸を落とし、さらには腕を落とす。その後肩から袈裟斬りにして、背後から足を掬う。
「…!!…!?」
鬼は驚いていた。その後も環火は連撃を重ねる。そうして、そのバラバラになった身体の中で、動くもの。それを探した。
「(あれだ…!)」
それは足だった。左足の指が開いたり閉じたりしていた。ちょんちょんと、情けない動きで環火から逃げた。
「出てこい…参ノ型、気炎万象!!」
2尺あるかどうか位の足を真っ二つに斬った。
「…わしは…っ」
隠れ蓑を失ったように、足の中から人が形成された。これが本体だと、環火は本能で気がついた。
「恨むな、私の仕事だ」
炎の呼吸、肆ノ型、盛炎のうねり。鬼の頸は落ちた。肉と骨を断った確かな手応えが残った。鬼を殺した。やっと、鬼が塵になった。
「……終わったな」
他の鬼殺隊と合流しよう。環火は歩き出した。
「…んっ!?」
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作者名:白夜ひすい | 作成日時:2020年11月22日 12時