ヒナゲシと黄色 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:361 hit

四輪目ページ5

「蒼葉に頼めば、絶対予想以上の出来になる
よなー!」

「それな!流石学園の王子だわー。顔もいい
し言うこと無しだよなw」

一軍の男子に褒め称えられているのは、もち
ろん「学園の王子新橋蒼葉」だ。

「言われたことやっただけだだよw元々、案
を出したのは坂木だろ。こんないい案、普
通浮かばないよ」

と、爽やかな笑顔を向ける。

なんと言うか、空白のあるような、寂しげな
ような笑顔。

坂木くんは「新橋に褒められるってのは、な
んか照れるなあw」とニヤついている。

まあ、そうだ。

普通の人なら気づくはずがない。

私にとっては不自然に極まりないが。

不自然なのは、笑顔だけではない。

新橋蒼葉と一番仲が良いのは、さっき会話し
ていた坂木くんと高崎くんのはずだ。

なのに、あの距離感は何なんだ。

壁を感じる。

遠慮している。

明らかに不自然だ。

ほらね、「新橋蒼葉」。

君に「違和感」を感じるといったでしょ?

君の違和感は、私と同じく「演じている」違
和感でしょ?

「寂しげな笑顔」。

「仲の良い人にも心を開ききれない」。

「どこか遠慮がち」。

さて、君は私の違和感に気づいているのかな?