序章 ページ2
2年生進級時、まだ不登校だった私はいつも通り保健室へ直行していた。
近くの教室を除けば朝日で時計が見られる。
ちらりと覗くと時間は6時半になる前だ。
7時になれば部活の生徒が早く投稿してくる時間帯で私は急いで保健室へ向かった。
「あ…お花が…」
保健室前を通ると前日、大雨と強風で育て中のお花が折れているのが目に入った。
しゃがみこみ優しく触れる。
「君は私みたいだね…。強く育とうとしても1番強いものには勝てないって。」
そう呟いたのは過去の出来事でだ。
息苦しいクラスに息苦しい友達に友人に私は手を離し側から離れた。
誰も私を見らずに忘れて欲しいと願うから。
ｻｧｧｯと優しい風が髪の毛を撫でる。
「っ…風が…ぁ」
突風に髪の毛を抑えると隣の奥から“なんだ？”と声を聞き横を向くと一人の男性が立っていた。
左に流れたピンク色の髪とグレーの光のない瞳が特徴の男子でそれが何故か初めて綺麗だと思うそんな姿の人。
彼もまた目が合ったことで驚いた。
？？「あ、…」
2人して時間が止まるような小さな空間の温かさ。
そして、同時に心臓に熱が帯びるように鼓動を鳴らした。
この時初めて、2人は初恋溶かした。
時間が止まったような数秒後、彼女は顔を徐々に真っ赤にさせていく。
？？「(あ、茹でたこ)すまない。人がいることに気が付かなかった。君は…」
と思ったつかの間遠くから彼の知る声が響いてきた。
？？「野坂さーん！」
野坂「お、西陰じゃないか。」
そう彼は呼ばれた返事に一瞬横を向いた時、強い足音と、扉が閉まる音がした。
野坂「あー…」
西陰「野坂さん、皆がもう集まっていますよ」
野坂「うん、知っているよ。でも、気になって来たけど彼女逃げちゃった。西陰静かに来れば良かったのに」
西陰「え？」
野坂が見る方向の花壇は春色とりどりの花が咲いており、1つの花が折れ曲がっていた。
野坂「綺麗なお花なのに勿体ないね」
西陰「そう…ですね。」
2人して眺める花壇には周りだけが綺麗に咲いており、1本の花は萎れていた。
何故か、その花は彼女に似ていた。
一人という存在に。
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作者名：野薔薇 | 作成日時：2019年3月10日 23時
