21 ページ24
「協力者…ほんとに…?」
視線が合う。そんなに見つめられると、なんだか気恥ずかしくなってしまう。
「こ、こんにちは。最近相沢君の助手になりました、立花あんずです!」
「助手…」
「立花、紹介するよ。こいつはアイン所属ハッカーの上村優太。僕はこいつに色々と情報を提供してもらってるんだ」
私は言われたことを頭で繰り返した。アイン所属のハッカー。ハッカーって確か、人のパソコンとかに入り込んだりする人だっけ?
相沢君の情報提供者。ということはつまりこの子も…共犯だ。
おどおどしているその雰囲気には全く似合わない単語の並びに、私は驚いた。
「こいつ、かなり女が苦手でさ。そのせいで外に出られないって悩んでるんだよ」
「あっ…綾斗くん、それは……言わないでよぉ…」
「だからさ、立花と会話でもして女に慣れればいいだろ。次来る時も連れてくるから」
「ええっ……そんなの困るよ………」
涙目になって狼狽える姿は、なんだか可愛い。私はなるべく優しい顔を作って微笑んだ。
「えっと…これからよろしくお願いします、上村君」
「ひぃっ…………!!」
私が声をかけるやいなや、上村君は小刻みに震えて、ドアの影に隠れてしまった。
「(一応優しく言ったつもりなのに、ちょっと傷つくなぁ…)」
すると相沢君は溜め息をつき、無理矢理ドアをこじ開けようとドアノブを引っ張り始めた。
「こんな調子じゃいつまで経っても引き籠もりのままだよ、お前」
「だ、だって……!」
上村君も対抗してドアを閉めようと力を込めていたように見えたにも関わらず、呆気なくドアは開いた。
上村君の腕力が弱過ぎるのか、相沢君が強過ぎるのか。
相沢君は開いた瞬間すかさずドアに足を掛け、これ以上閉められないようにした。
52人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポエム(プロフ) - 【お知らせ】登場人物イラスト、世界観イラスト更新しました。 (2019年3月26日 16時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - あうんさん» ありがとうございます!!気に入ってもらえて嬉しいです…!更新頑張りますね!! (2018年11月2日 22時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
あうん(プロフ) - ヤバイ…どストライクすぎます!あんずちゃんの狂った感じがたまらないです!更新応援してます! (2018年10月31日 6時) (レス) id: 8621d19bdc (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます…!!更新頑張ります^^ (2018年10月13日 7時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 読みやすいし面白いです!応援してます! (2018年10月10日 14時) (レス) id: 7f2ddeb6c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ポエム | 作成日時:2017年10月21日 9時