検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:6,105 hit

ページ13

.


「っ!!!」


 飛び起きる。
窓の外を見ると高くまで登った太陽の光が差し込んでいた。
 快晴でもやはり真冬は寒く、まだぼんやりとした意識を抱えながら身を震わせた。ついさっきまで見ていた光景を思い出そうとするも、それはモヤがかかったように霞んで、何だかわからない。


「夏冬の、伝説、…」



 やはり、あれは夢だったのか。

 忘れないうちに、夢の中で確かに聞こえた言葉を繰り返す。
 優しい声だった。誰の者かは分からないが、それでもそれは大切な気がしてならない。


「なんだろう、伝説…」


 自分の性格上、気になったことはすぐに調べないと気が済まない。知らないことがあるとストレスが溜まるんだ、なんて天才みたいなことを言ってみたりもするが、あながち間違いではなかった。

 目を覚ますためにベッドから降りて、洗面所へ向かう。いつもと同じように顔を洗って、タオルで顔を拭いた。


「…あれ」

 今日はきんときの姿が見えない。
 それもそうだ、今はお昼過ぎだから。

 軽い身支度を整えると、近くの図書館へと足を運んだ。






__


「......ない」


 そんな本、当然パソコンを使っても出てくることはなく。
 一面に敷き詰められたこの本棚から、どうやって手がかりを探そうと首を捻る。そうだ、伝説、で調べてみよう。マウスを再びクリックした。


「お!」


 伝説、のキーワードから無数の本がヒットした。どれも面白そうで思わず全部読みたくなるが、誘惑に負けずに季節の本を探す。いくつか気になる本を見つけた。


「えーっと、この列の上から三段目、...」


 分厚い本がずらりと並んでいる。
 そこにあった本を手に取り、表紙を見て、唖然とする。


「これ…!!!」


 思わず図書館で声をあげそうになって口を抑えた。


 そこには、間違いなく夢で見た___あの二匹の龍が、『四季の神様』というタイトルと共に、表紙を飾っていたからだった。

▽→←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
46人がお気に入り
設定タグ:ワイテルズ , 白尾 , 実況者
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

秋乃みなと(プロフ) - 自由さん» コメントありがとうございます。受験は無事合格しましたので、お話を思い出しつつ書いていきたいと思っています。まだ読んで頂けているのならば嬉しいです。ありがとうございます! (2023年4月7日 1時) (レス) id: 323d0a35b0 (このIDを非表示/違反報告)
秋乃みなと(プロフ) - さくちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりすみません。長らく更新をしていなかったのもあり、書き方を忘れてしまいましたが、ストーリーなど思い出せる範囲で少しづつ更新していこうと思います! (2023年4月7日 1時) (レス) id: 323d0a35b0 (このIDを非表示/違反報告)
自由 - はじめまして。初コメ失礼します!ほんとに子の物語り、私に刺さって感動です🤦‍♀️主様の受験勉強、今どうなっているのか分からないですが、もしお暇であれば続きを書いていただけると凄く嬉しいです🫶待ってます (2023年3月17日 1時) (レス) @page14 id: ff0084b57f (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃんちゃん - はじめまして!コメント失礼します\(_ _)ストーリーが大好きで3,4回くらい見てるかもしれません...ゆっくりでいいので頑張ってください!続き楽しみにしてます! (2022年11月13日 14時) (レス) @page14 id: d436cdacdb (このIDを非表示/違反報告)
秋乃みなと(プロフ) - いかすみさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです!これからも不定期ではありますが、ゆっくり更新して行くので気長にお待ち下さい! 勉強頑張ります! (2022年6月7日 21時) (レス) id: 480327bdf9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:秋乃みなと | 作成日時:2022年5月8日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。