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「っ!!!」
飛び起きる。
窓の外を見ると高くまで登った太陽の光が差し込んでいた。
快晴でもやはり真冬は寒く、まだぼんやりとした意識を抱えながら身を震わせた。ついさっきまで見ていた光景を思い出そうとするも、それはモヤがかかったように霞んで、何だかわからない。
「夏冬の、伝説、…」
やはり、あれは夢だったのか。
忘れないうちに、夢の中で確かに聞こえた言葉を繰り返す。
優しい声だった。誰の者かは分からないが、それでもそれは大切な気がしてならない。
「なんだろう、伝説…」
自分の性格上、気になったことはすぐに調べないと気が済まない。知らないことがあるとストレスが溜まるんだ、なんて天才みたいなことを言ってみたりもするが、あながち間違いではなかった。
目を覚ますためにベッドから降りて、洗面所へ向かう。いつもと同じように顔を洗って、タオルで顔を拭いた。
「…あれ」
今日はきんときの姿が見えない。
それもそうだ、今はお昼過ぎだから。
軽い身支度を整えると、近くの図書館へと足を運んだ。
__
「......ない」
そんな本、当然パソコンを使っても出てくることはなく。
一面に敷き詰められたこの本棚から、どうやって手がかりを探そうと首を捻る。そうだ、伝説、で調べてみよう。マウスを再びクリックした。
「お!」
伝説、のキーワードから無数の本がヒットした。どれも面白そうで思わず全部読みたくなるが、誘惑に負けずに季節の本を探す。いくつか気になる本を見つけた。
「えーっと、この列の上から三段目、...」
分厚い本がずらりと並んでいる。
そこにあった本を手に取り、表紙を見て、唖然とする。
「これ…!!!」
思わず図書館で声をあげそうになって口を抑えた。
そこには、間違いなく夢で見た___あの二匹の龍が、『四季の神様』というタイトルと共に、表紙を飾っていたからだった。
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秋乃みなと(プロフ) - 自由さん» コメントありがとうございます。受験は無事合格しましたので、お話を思い出しつつ書いていきたいと思っています。まだ読んで頂けているのならば嬉しいです。ありがとうございます! (2023年4月7日 1時) (レス) id: 323d0a35b0 (このIDを非表示/違反報告)
秋乃みなと(プロフ) - さくちゃんちゃんさん» コメントありがとうございます。返信が遅くなりすみません。長らく更新をしていなかったのもあり、書き方を忘れてしまいましたが、ストーリーなど思い出せる範囲で少しづつ更新していこうと思います! (2023年4月7日 1時) (レス) id: 323d0a35b0 (このIDを非表示/違反報告)
自由 - はじめまして。初コメ失礼します!ほんとに子の物語り、私に刺さって感動です🤦♀️主様の受験勉強、今どうなっているのか分からないですが、もしお暇であれば続きを書いていただけると凄く嬉しいです🫶待ってます (2023年3月17日 1時) (レス) @page14 id: ff0084b57f (このIDを非表示/違反報告)
さくちゃんちゃん - はじめまして!コメント失礼します\(_ _)ストーリーが大好きで3,4回くらい見てるかもしれません...ゆっくりでいいので頑張ってください!続き楽しみにしてます! (2022年11月13日 14時) (レス) @page14 id: d436cdacdb (このIDを非表示/違反報告)
秋乃みなと(プロフ) - いかすみさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです!これからも不定期ではありますが、ゆっくり更新して行くので気長にお待ち下さい! 勉強頑張ります! (2022年6月7日 21時) (レス) id: 480327bdf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋乃みなと | 作成日時:2022年5月8日 10時