bouquet 92 ページ5
「すばるー?コーヒー入ったよー?」
いつまで経っても帰ってこない彼に、大きめの声で呼びかけると、今行くとだけ微かに返ってきた。
ソファに座ってコーヒーを並べて置けば、湯気が天井に向かって立ち上がる。
『A』
「んー?な、に…」
近くでわたしを呼ぶ声が聞こえて振り返れば、少し緊張したような面持ちの彼が立っていた。
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『これからも、俺の隣にいてください』
そんな言葉と共に差し出されたのは、バラの花束だった。
真っ赤なバラが9本、ピンクのバラが4本、透明の包装紙に包まれた茎の部分には金色のリボンが巻かれていた。
「なに、これえ…っ」
『ごめん、赤だけやなくて。でも、どうしてもこいつらも入れたかってん』
こんなの聞いてない、…聞いてないよ
涙が次々に溢れ出て、バラの花束を歪めていく。
「ずっと、…ずっといるよ…。すばるがダメって言ってもいてやるんだから」
『Aなら、そう言ってくれると思っとった。』
ぼろぼろと涙を零すわたしを優しく抱きしめてから、わたしの手に花束を持たせてくれる。
『約束、ちゃんと守れたかな』
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erikah1989(プロフ) - ステキな話で感動しました!涙が出ました! (2022年1月15日 22時) (レス) @page14 id: 0acff289b2 (このIDを非表示/違反報告)
Miu.F(プロフ) - 本当に本当に最高のお話でした!!!!こんな素敵なお話に出会えて幸せです。ありがとうございました!! (2019年11月28日 2時) (レス) id: 9c8b9c75b3 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギン - はじめまして、読んでいる間ずっと涙が溢れてきました。素敵なお話でした。私はまだ学生ですが、あんな素敵な人に出会って、死ぬまでその人のこと、好きって思えるような人生を送ってみたいです。長くなりましたが、ありがとうございました! (2018年8月24日 23時) (レス) id: 6c5f8a16fc (このIDを非表示/違反報告)
ミナト - とてもすてきなおはなしでした。読み終わったあと、しばらくこのストーリーが頭から抜けなくて。。。ほんとうにありがとうございました!! (2018年8月18日 2時) (レス) id: 2ce4b6b707 (このIDを非表示/違反報告)
かちん(プロフ) - 最後、本当に涙が止まりませんでした。素敵なお話をありがとうございました!! (2018年8月10日 14時) (レス) id: 847a98e6ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2018年8月3日 11時