hum 6 ページ6
卒業式の片付けを終えて、教室に戻った。
皆が笑い声をあげる中、彼女はただひとりグラウンドを見つめとった。
音をなるべく立てないようにそっと座ると、小さくか細い歌声が聴こえてきた。
誰か、なんて探さんでもわかる、聞きなれたその歌。
…彼女が、俺の隣で歌っとった。
『…Aちゃん、』
「＿＿＿＿＿＿＿＿♪」
今、どんな気持ちで歌っとるの
『なぁ、聞いて？』
「＿＿♪…ぅ、」
『…Aちゃん？』
必死で、必死で涙を堪えてたんやな
俺に、周りに気づかれへんように外を眺めて顔を隠して
本間は、歌なんか歌う気分やなかってんやろうね
ずっと、声が震えとったから。
.
.
「なぁ、に？丸山、くん、…っ」
にこおと微笑むAちゃんの目は真っ赤で
ただ、ただ切なかった。
『泣かんでよ、』
「ん、…」
『飴ちゃん、あげるからさ。』
「ありがと、…」
『いちごみるく、すきやろ？』
「すき…、」
小さな、真っ赤な口に放り込んで、「おいしい」と微かに笑った。
…あぁ、無理しとる
俺が、無理させてんかな？
やけど、どうしても
…言わな、あかんねん
『…Aちゃん、』
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りりあ - 読ませていただきました！素敵なお話ですね。やっぱりはるかさんの作品が好きだと改めて思いました。これからもよろしくお願いします^_^ (2017年5月9日 23時) (
レス) id: d0ec948b8a (このIDを非表示/違反報告)
yuuka_madre(プロフ) - いつも読ませていただいてます。切ない、切ないですけど、マルちゃんのイメージにぴったりで、それがまた切なさをかもし出して、、素敵なお話ありがとうございました！ (2017年5月9日 3時) (レス) id: 3387539543 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2017年5月8日 21時
