j u i c e j u i c e , ((紫)) (ページ27)

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juice 27 ページ27

汗臭い自分に制汗剤ぶっかけて

急いでAの元へ帰った。

『ごめんっ』

「いや、いいよ」

どんなに強引で、急でも

Aは、こうしていつも待っとってくれる

でも、今日のAの表情はどこか暗くて

いつもみたいに、話しかけることができひんかった。

俺、いつも何って話しとった？

どんな風に、話しかけとったっけ

あれ、何かわからへん

『…今日、寒いな』

「そうだね」

やっと絞り出した会話は、本間つまらへんくて

さすがにこれは、自己嫌悪。

『手袋は？してへんの？』

「今日、わすれちゃって。」

『あほやな、ほれ』

片っぽだけ、手袋を外してAの手に乗せる。

さっき、あの子の告白を受けながら

俺も、もっと出していかなあかんなって思った。

俺が、すきでも

お前が、すいてくれな意味が無い

「片っぽじゃん、」

『…こっち、』

ちょっと、キザかな

ちょっと、ありきたりかな

やけど、こんなんしか思いつかへんねんもん

「ちょ…っと、」

『あかん？』

「あかんく、ないけど…」

『けど、何』

「あの子はっ…」