j u i c e j u i c e , ((紫)) (ページ25)

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juice 25 ページ25

「村上、椎名にこれ渡しといてー」

『あ、はい』

きょろきょろ辺りを見回して、Aを見つける。

なんや、今手ぇ空いてそうやな、良かった

『Aー…「村上先輩っ」』

Aがこっちを向いたのと

誰かが俺を呼んだのは、ほぼ同時やった。

ふと振り返ると、ロングヘアーの女の子がこっちを向いとった。

制服姿の彼女は、誰やったかな

頭を捻って、脳の隅から記憶を引っ張り出す。

…あー、中学んときの、

『…すまん、これ頼めるか』

「あ、はい」

俺がその子の方に歩いて行くと、周りがざわざわ騒ぎ出す。

そんなんやないっちゅーねん、

やって、この子と俺、そんな関わりないし

「ちょっと、ここじゃあれなので、」

『ほなどっか行くか？』

「体育館裏とかでも、」

『おー、じゃ、行こか』

無言のまま土を踏みしめて

まだ熱気が残る体育館の裏に半歩違いで辿り着いた。

『んで、どしたん？』

「先輩、わ、わたしのこと覚えてますか？」

『んー、あれやろ？中学んときの、』

「そうです、よかった…覚えてて貰えて、」