j u i c e j u i c e , ((紫)) (ページ22)

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juice 22 ページ22

練習後の片付けって、マネージャーがしてくれるんやけど

グラウンドの端に残っとったボールを見つけてAに渡しに行くと、重そうに籠をおさめようとしとった。

『…貸し、』

思わず強く引いてもうてAがバランス崩して慌てて受け止める。

『あぶなっ…』

腕にもたれかかったAはめっちゃ軽くて

ふんわり、シャンプーの匂いがした。

『お前、もっと食わなあかんで？軽すぎや』

「全体重かけてないからね！なめんな」

『何がやねんっ』

そうやって、いつもみたいにふたりふざけとったはずやのに

ふと、Aは真顔に戻って

.

.

「村上さーあ、キャプテンなのにすきなこいないの？」

『キャプテンやからって、何やねん』

そういうお前は、どうやねん、

すきなヤツ、居てるんやろ？

「モテるんでしょ？」

『…いや、モテへんな』

「は？」

怪訝そうな顔、しとるけど

こんなん、お前が俺のことすきやなかったら、何の意味もないねん

『…すきなこからな、全くモテへんねん』

…これで、気づいてよ