雨の日にはアリスの傘を。((赤、緑))

umbrella 36 ページ36

「誰って、…」






『俺が来る前、A…ここに居ったやろ？』








「…来てない」









『知っとるから…隠さんといて？』









完全に動きを止めたAの前に回り込んで、抱きしめる








それから、耳元で囁くように









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『別れてって、言われたんやろ？上のひとに』









調べてもらった、真実を







小さく、そう告げると








「っ違う！…そんなことない、」








急に慌てたように俺の腕から逃れようとする






「わたしは、ただっ…！」








『Aっ』







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『俺が、守るから…！』








…ひとりだけで、抱え込まんといて








『もう、泣かんといてよ…』









頬を両手で包んで上を向かせると








真っ赤になった瞳から、次々に涙が出てきてた









「すばる、…離して」








もう、がっちり俺が掴んでんのに






Aは、それでもなお抵抗しようとする








『離せると、思う？』







「はなして、」









離さへんよ…離せへんよ






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『俺は、Aがすきや』








『もう一回…やり直そう』

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