雨の日にはアリスの傘を。((赤、緑))

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「なんで、帰らなかったの…」







その声に、慌てて目を開くと






苦しげに困り顔をしたAが居った









『言うたやん…午後10時にここでって…』








「わたしは、約束してない」









『俺は、あれは約束やと思った』









俺がそう言うと、Aはため息を吐いてその場から去ろうとしたから






慌てて立ち上がって、その後ろ姿を追いかける








『どこ行くねん』







「帰るの、」








『…話、聞きに来てくれたんやないん』







「確認しに来ただけ」









すばるが、居るのかどうか







そう呟いて、足を速める







なかなか、今の速さでもしんどいねんで？







俺ももう、20代やないし






息、普通に上がってくるわ






『〜Aっ！！』






.








.








.








.







.









.








.








『聞いて！！』








気持ちも体力も結構限界に達してきて





仕方なく、大声でAを引き止める









『ずっと、…ずっと聞きたかったことや』









Aは振り返らず、その場で立ち止まるだけ







でも、それでも十分やと思った







Aが、聞いてくれるなら






俺は、何だって伝えられると思うから









『あの日…誰がここに来てん？』

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