雨の日にはアリスの傘を。((赤、緑))

umbrella 33 ページ33

別れ際、頭をぽんと撫でたのは、俺なりの対抗、悪足掻き






それから、待ってるって意味も込めて。






.







.









.









.








「おー、すばる遅かったなあ」






『すまん、A居ってな』









「は？A？」









『おん、大倉も一緒やった

これ以上あかんと思ったから、一方的に約束して帰ってきたけど』









あー、この豆腐うまいわ




なんか、身にしみる感じ？





なんなん、味覚すら年取ってきとんのかな








「大倉、か」







『…おん、』









「まぁ、…あのこと、会えたらちゃんと言うんやで」









『おん、』








知ってしまった、10年前の真実






俺は今も、Aがすきやで





Aは、どう思ってるんかわからへんけど






でも、俺は







別れよう、あーええでっていう恋愛はもうしたない







それなりの恋愛なんか、吐いて捨てるほどある








実際、昔はそうやったし







やけど、さ





そんなん恋愛なんか呼べへんのやって思った






本気で、恋をして




失って…本間に、愛してるって知る








今、俺はその状態






ずっと隣に居るんやろって、勝手想像してた








Aが居らんなって、…初めて知る









…永遠は、無いんやって

umbrella 34→←umbrella 32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す