雨の日にはアリスの傘を。((赤、緑))

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おっちゃんらの笑い声が響く店内を歩いて、その角を左に曲がる






すると、見覚えのあるバレッタの付いた茶色い長い髪の毛が見えて、今出たところ？って普通に思った








『Aちゃ…』







.








.







.





片手を肩において、口角を自然に上げたのに







ふと目の前を見た瞬間、引きつったように口元が動かんくなった









「あ、おーくら」









なんでよ





なんで、居るねん









『…すばるくんも、飲んでんの？』








「おん、たまたまヒナと来てなあ」








俺、いっつもタイミング悪いやん




運すら悪いんかなあ







「じゃあな、俺行くわ。…A、頼むわ」








そして、すばるくんはぽんとAちゃんの頭を撫でて、すーっとその場を去った






何て声をかけたらいいんかわからんくて、ただただ黙り込んどったら






「おーくらさん」






Aちゃんから、言葉を発した









「飲みましょっか！」









酔が冷めたであろう彼女の笑顔は、眉が下がりきっとって




あほな俺でもわかるぐらい、無理した笑顔やった







『ええから…』







オロオロ、ただAちゃんを抱きしめる








ただ、それだけしかできひん









『俺が、居るから…』









やから、もう…







そんな顔、せんといてよ…

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