雨の日にはアリスの傘を。((赤、緑))

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郵便局の近くまで行けば





顔は見えへんくてもAちゃんやってすぐにわかる







背格好も、口を覆うような仕草も、待ってるときに少しだけ踵をあげるのも






この短期間で全部、覚えてしまった








「あ、大倉さんっ」







『ごめん、待った？』








「いいえ、全然」







もともと時間は約束してへんかったんやけど






Aちゃんは、いつから居ってくれたんかな







足…疲れてへんかな









『Aちゃん、ご飯食べた？』







「まだですけど…」








「ご飯、食べ行こ」









つるんって、自然な流れでそう誘うと





少し目線を左上に泳がせながら









「…はい、行きましょうっ」







しっかり笑って、そう返してくれた






もうなんか、それだけで嬉しいてしゃあなくて





一気に体の熱が、ぶわぁって上がる感じ








『何食べたい〜？』






「ん〜、飲みます？大倉さん」







『せやね、ちょっと飲みたいかなぁ』







「じゃあ、居酒屋行きますか？隠れ家的なところ、知ってるんです」








『じゃあ、それで！』









付き合ってる訳やない







やけど、俺は彼女の手を再びとって歩く









じわじわ、攻めたるねん









その温もりに、…俺の体温が重なって彼を忘れられるように

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