雨の日にはアリスの傘を。((赤、緑))

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＿＿＿＿＿＿＿＿＿subaru side





俺らがデビューする前



まだ、デビューも決まってへんジュニアの頃に付き合っとったのが、Aやった




付き合っとるって言うても、不思議なカンケイ





お互いの連絡先は知らへんかったのに、毎週木曜日には絶対会っとった




小さな郵便局の前で、19時に待ち合わせて。





“雨の日の木曜日、ひとつずつ教えよう”





それが、決まりで



名前も、歳も、職業も



出会ってから何ヶ月もしてやっと知ったぐらい







そんな、関係の中でも






俺らは、ちゃんと愛し合ってた







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「雨だね、今日は」





『おん…』







「わたしね、傘買ってきたの。すばるに」








『え…俺も、Aに買ってきた…』







「ふふ、交換だ、」









店員さんにめっちゃ見られながら買うた傘




Aに、似合うやろうなって…








「可愛い…大事にするね」






『俺も、…ありがとうな』






「ふふ、すばるは壊しちゃいそうだから、来週持ってきてね
わたしが部屋に置いとく」







『何やねんそれ、』






そのときは、本間に笑った





俺、どんなやつに見られてんねんって。




…やけど、俺を見るAの目が優しくて





あぁ、しあわせやなぁって






ずっと、Aと居れたらいいなって







淡い期待をしとった、ハタチの秋

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