第九松 ページ10
平日の昼間……のはずなんだけど。
居間でゆっくりしている成人男性6人。
そ、そうか。だから、松代さんは彼らの事をニート達って呼んでるのか。納得した。
だけど、ほんとにいいのか?私が同居しちゃっても……
ちなみに、私、市役所で色んな手続きしに行ってたから、今日は学校休んだんだよね。
麩の近くで突っ立ってた私は、机の方へ歩き、ゆっくり腰を下ろす。そして、手に持ってたブックカバーが掛かっている読みかけの萌え系ライトノベルを開いた。
そんな私を、トド松と野球盤で遊んでいる十四松がじっとみつめている。
お、落ち着かない……
十四松の方へ顔を向けてみる私。すると十四松の大きく開いた口が微妙に動いた。
それから、ずっと、十四松と見つめあっている。なんだこれ。
「……ん?どうしたの?十四松兄さん」
トド松は状況把握出来ずに、思わず十四松に尋ねる。私もどういう状況なのかさっぱりわからん。
とりあえず、手を振ってみよう。
私は十四松に軽く手を振った。
すると、如何にも嬉しそうな顔をして、手を振り返してきた。
「お〜い!A〜!」
この近距離で何故か名前を大声で呼ばれる。
なんだこの人、可愛すぎる。20代だよね?
ショタにみえるぞ。
あっ、わかった。この人、天界に舞い降り天使だ。人間界にどうしても行きたくって、人間に化けて松野家に身を潜めてるんだ。
「Aちゃんも一緒にやる?野球盤、楽しいよ!」
「野球盤か……小学生の頃にやったなぁ〜」
小学生の頃の思い出に懐かしむ私。
こういうの置いてあったんだよね〜。放課後残ってよく遊んでたよ、うん。
「ねぇねぇ、A。やきうできる?やきう」
「野球……?授業で少しやったくらいかな」
「今からやろうよ!やきう!」
唐突に十四松が野球に誘ってくる。
う〜ん、野球好きなのかな?
「十四松兄さんとAちゃんが野球しに行くなら僕も一緒に行きたいな〜!」
トド松は私と十四松の顔を交互にみて、あざとく連れてってと上目遣いでおねだりする。
やめろ、そんな目で私をみるな。十四松に効かなくても私にはめちゃくちゃ効くんだよ。効果抜群だよ。
──あっ、いいこと思いついた。
「野球、しに行ってもいいけど、ここ、仕事でしか来たことなくてさ。する前に、道案内してほしいの。だめ……かな?」
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うみしおあいす(プロフ) - かい松さん» くそwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwありがとなwwwwwwwwwwww (2016年6月5日 16時) (レス) id: ade26a220d (このIDを非表示/違反報告)
かい松 - うわわ、文才ですね憧れちゃいます(><) (2016年5月28日 21時) (レス) id: 4ffcf40120 (このIDを非表示/違反報告)
うみしおあいす(プロフ) - カラ松ガールはカラ松にガマズミを送ったそうですさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけたようで良かったです! (2016年3月31日 8時) (レス) id: 19afaa44d5 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガールはカラ松にガマズミを送ったそうです - めっさおもろいね!! (2016年3月23日 11時) (レス) id: 94b65bf28a (このIDを非表示/違反報告)
うみしおあいす(プロフ) - アルカさん» コメントありがとうございます!いえいえ、そんなことないですよw変人いいね!最高w← 亀更新ですが、頑張って投稿していきますので楽しみに待っててください! (2016年3月22日 11時) (レス) id: 27d5391d71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみしおあいす | 作成日時:2016年2月23日 20時