52ビート ページ5
52.
大阪公演、初日。
黒羽｢では、主たち。また会おう｣
鳴り止まない拍手のなか、大阪1発目の幕が降りた。
モニタールームから舞台裏に降りた私は、それぞれに思った事を伝えていく。
崎山｢Aちゃん、どうだった？｣
貴女｢猫背だった｣
崎山｢へっ？｣
貴女｢つばさくん折角歌えて踊れるのに猫背だから残念かなって思ったの｣
崎山｢…｣
汐音｢ざきやまが埋まったー！！｣
そんな様子を見ていた義経役の健太郎さんが感心したように頷く。
荒木｢Aちゃんは色んな事をよく見てるんだね｣
貴女｢ふふ、それが仕事ですからね｣
荒木｢俺にも何かアドバイスちょうだいよ｣
貴女｢健太郎さんは…そうですね、和太鼓のソロのところ、少しテンポが速かったです。しげ美さんの音を聞いて、腕をもう少し大きく振ってみては？｣
荒木｢マジか…なるほどありがとう、参考になった｣
爽やかな笑顔を残して、健太郎さんは楽屋に引き上げていった。
男前というか、オーラがあるというか。ビートはラテン系で。
さすがは我が君。
佐藤｢さすがは我が君｣
貴女｢…流司人をびっくりさせるの好きだね｣
2重の意味でビックリ。
佐藤｢お茶目と言って｣
貴女｢流司、漢道の終わりの所だけどね、もうちょっとこうやって｣
佐藤｢無視？｣
貴女｢たこ焼き食べたいな｣
佐藤｢あるじー？｣
貴女｢健太郎さんロン毛が似合うよね｣
佐藤｢…そうだね｣
流司がちょっと声のトーンを落として、つぶやいた。
佐藤｢俺以外の男に惚れられちゃったら俺悲しい｣
隣に立つ、加州清光の横顔を見上げる。
流司の不思議なビートが、少しだけ乱れていた。
なんだ。
悩んでいたのは、私だけじゃなかったんだ。
貴女｢大丈夫だよ｣
流司の紅い瞳が、こっちに向けられた。私はちょっと笑って流司のほっぺをむにーとひっぱる。
貴女｢私たぶん、流司が思ってる以上に流司が大好きだもん｣
佐藤｢…｣
しばらくフリーズしていた流司が、おもむろに埋まっていたつばさくんの所に歩み寄った。
佐藤｢愛をナメんなよ！！！！！！！｣
崎山｢それは麻璃央！！！！！！！！｣
貴女｢つばさくんまた埋まっちゃった｣
黒羽｢俺たち栄の暴れ馬たちが｣
汐音｢その格好でホストをすなじじい｣
山を越えて一安心のみんなが和気藹々と談笑する中、流司がふと思い出したように言った。
佐藤｢あ、そうだA。大阪の最終日、予定空けといて｣
貴女｢え？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 283人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
切れかけミサンガ(プロフ) - 伊澄さん» 初めまして！コメントありがとうございます！同じ境遇ですね笑 受験大変ですが、お互いに頑張りましょう！陰ながら応援させていただきたいです笑 そんなそんな！私はまだまだ駄文です！ (2017年4月17日 7時) (
レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - みゆみゆさん» こんちには、いつもコメントありがとうございます！本当に…じゅけんさなんてなくなってしまえばいいのに、と最近はそんなことばかり考えてるおります笑 舞台俳優さんのイケメンパワーでお互いに受験乗り切りましょう！ (2017年4月17日 7時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
伊澄(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読ませていただいています！私も大学受験生かつ流司くんの小説を書いているという全く同じ境遇なのですごく分かります……私の場合流司連載は書き始めたばかりなので作者様には到底及びませんが、お互い頑張りましょうね！！ (2017年4月17日 0時) (レス) id: 3742e82f7c (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - 大学受験って大変ですよね、私も志望している大学に届くかどうか不安です。お互いに受験頑張りましょう！ (2017年4月16日 21時) (レス) id: a5448eda7b (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - 凜香さん» そうなんですね！お誕生日おめでとうございます！ささやかなプレゼントになれば嬉しいです笑 コメントありがとうございました、亀更新ですが頑張りたいと思いますので生暖かい目で見守っていただけると嬉しいです！ (2017年4月2日 8時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：切れかけミサンガ | 作成日時：2017年2月28日 22時
