51ビート ページ4
51.
貴女｢っぷは｣
咲子｢今日はよく飲むねお姉ちゃん｣
汐音｢私も負けんぞ！酒をもて！｣
その日の夜、咲子の家に集まったいつもの3人。
貴女｢汐音お酒弱いんだから程々にした方が…｣
汐音｢ぐー｣
咲子｢えっもうつぶれちゃったの？｣
咲子が驚いて汐音の顔をのぞき込む。汐音は机に突っ伏して幸せそうに眠りこけてしまった。
貴女｢ふふ、可愛い寝顔しちゃって。写メって麻璃央くんに送っちゃうぞー｣
咲子｢麻璃央くん喜ぶね、きっと…だいぶ片想いこじらせてるみたいだし｣
片想い。
貴女｢…そうだね…汐音どうしよう。たぶんもう起きないよ｣
咲子｢いいよ泊まってけば。お姉ちゃんも泊まってく？｣
貴女｢じゃあ、久しぶりにそうしようかな。汐音ベッドに寝かせてくるね｣
汐音を姫抱きで寝室まで運んで、ころんと横たえる。華奢な汐音は身長165cmある私からしてみれば綿あめみたいな軽さだ。
リビングに戻ると、咲子がワインをグラスに注いでいるところだった。
咲子｢お姉ちゃん。今日、何があったの？｣
見た目は違っても、やっぱり双子だ。お互いの微妙な変化にもすぐ気がつく。
貴女｢…人の内面的なものに関わるし、直接何か言われた訳じゃないから詳しくは言っちゃいけないと思うんだけどね｣
机の上で組んだ自分の手をじっと見つめて、私は言った。
貴女｢すごく居心地がよくて、でもそれ以上にはなりえないと思っていた関係が、ちょっとバランスを崩しちゃってるの｣
咲子｢流司さんではない？｣
貴女｢うん。私が勝手にバランスを崩してるだけかもしれない。でも直接本人に聞けるようなことでもなくて…こんなこと初めてだからちょっと戸惑っちゃってね｣
咲子｢そう｣
咲子はそれ以上何も言わなかった。その代わり、黙ってリビングの中央に置かれているグランドピアノに歩み寄って、椅子に座った。
寝ている汐音を気遣ってか、小さな音でポロポロと鍵盤をなぞる。
今日、稽古を終えた流司は口数こそ少なかったけど、いたって普通だった。勇輝とも仲良さそうに談笑していたし、勇輝は勇輝でいつも通りの様子。
1人悩んでる私が空回りしている気がして。
咲子も私も、知っているのだ。
決着をつけるべきは、今ではないことを。
咲子のピアノの音色に耳を傾けながら、私は小さくため息をついた。
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切れかけミサンガ(プロフ) - 伊澄さん» 初めまして！コメントありがとうございます！同じ境遇ですね笑 受験大変ですが、お互いに頑張りましょう！陰ながら応援させていただきたいです笑 そんなそんな！私はまだまだ駄文です！ (2017年4月17日 7時) (
レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - みゆみゆさん» こんちには、いつもコメントありがとうございます！本当に…じゅけんさなんてなくなってしまえばいいのに、と最近はそんなことばかり考えてるおります笑 舞台俳優さんのイケメンパワーでお互いに受験乗り切りましょう！ (2017年4月17日 7時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
伊澄(プロフ) - はじめまして、いつも楽しく読ませていただいています！私も大学受験生かつ流司くんの小説を書いているという全く同じ境遇なのですごく分かります……私の場合流司連載は書き始めたばかりなので作者様には到底及びませんが、お互い頑張りましょうね！！ (2017年4月17日 0時) (レス) id: 3742e82f7c (このIDを非表示/違反報告)
みゆみゆ(プロフ) - 大学受験って大変ですよね、私も志望している大学に届くかどうか不安です。お互いに受験頑張りましょう！ (2017年4月16日 21時) (レス) id: a5448eda7b (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - 凜香さん» そうなんですね！お誕生日おめでとうございます！ささやかなプレゼントになれば嬉しいです笑 コメントありがとうございました、亀更新ですが頑張りたいと思いますので生暖かい目で見守っていただけると嬉しいです！ (2017年4月2日 8時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：切れかけミサンガ | 作成日時：2017年2月28日 22時
