8UPPERS 1 (ページ42)

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ハルと別れた後、マックはバーには戻らず別の所に向かっていた。

電車とバスを乗り継いで1時間ほど移動する。

付いた場所は墓園だった。

しばらく歩いて、ある墓の前で足を止めた。

「…ここに来るんは初めてやな…キング」

キングとは違う名前が彫られた墓、彼が亡くなったとき、ハルの計らいで立てられた墓だ。

「言いたい事がたくさんあって…俺には仲間が出来ました。まだまとめきれてへんけど、最高の仲間です。それから、久しぶりにハルさんにあいました。彼女の愛想の良さは変わってませんでした」

昔を懐かしむようにマックは目を細めてしゃべる。

「言いたい事はそれだけです…また来ます」

マックはゆっくりと振り返る。

「…ジョニー、おるんやろ？」

声をかけると、墓に隠れていたジョニーが罰の悪そうな顔で姿を現した。

「ばれてた？」

「ハルさんと俺付けてた時からな」

「ジャッキーにはほっとけって言われたんやけど」

ぽりぽりと頬をかく。

ジョニーが懐から一枚の紙を出した。

「なんやそれ？」

「ずっと、渡そうか迷ってた…マックがキングって人の事、俺はてっきり踏ん切りつけようとしてんのかと思ってた。だからあの事務所から遠のいたんちゃうかって…やったらこれはマックに見せずに捨てた方がええんちゃうかって、思ってたけど」

ジョニーが苦笑いしながらそれをマックに渡す。

「今のマック見てたら、渡す決意ついたわ。これ、あの事務所にあったソファの裏にくっついとった。これ見つけたん俺でよかったな？ジャッキーやったら捨てたかもしれん」

マックがそれを受け取ると、先帰るわ、とジョニーがその場から立ち去る。