8UPPERS 1 (ページ41)

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近くの喫茶店に二人は入る。

さっそくだけど、と彼女は書類を出した。

「これ、実はキングがやり残した仕事なのよ」

「キングが？」

マックが書類を手にとり目を通す。

「えぇ、彼に仕事を依頼しようと思った矢先、彼は死んだ…だからこの話も破棄にしたんだけど、彼以外にこの件を処理出来そうな始末屋が見つからなくてね…」

内容は大物政治家の暗殺だった。

二世政治家の彼は、親の権力に物を言わせ、好き放題やっている。

「彼のバックにはいろんな人の目がある、ちょっと厄介なのよ、キングに依頼出来ず、彼を放置して数年、事態は悪化する一方」

書類を手にしているマックの手を彼女がつかんだ。

「お願い、あなたにしか頼めないの」

「…わかりました」

マックは頷いた。

「ほんとに！？よかった…依頼を受けてくれるなら追加の資料を持っていくわ！今夜、キングと過ごしたあの事務所に来てくれる？」

「え？なんであそこに？」

「人目の無い場所の方がいい。それに、キングにもあなたの成長を見せてあげたいのよ、あの人の思い出が残る、あの場所で」

ね？と彼女は首を傾げた。