8UPPERS 1 (ページ40)

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やばいやばい！とエースが叫びながら階段を駆け下りてくる。

「なんやねん騒々しい」

「めっちゃ美人来てんねんけど！」

ホールに駆け下りてきたエースの後ろから、一人の女性がおりてくる。

確かに美人だ、ブロンドの髪に整った顔、スタイルも抜群である。

彼女はエースを横切ると、ホールを一望する。

そんな彼女も見ながら、エースはアーセナルの隣に立った。

「すれ違ったときめっちゃええ匂いしたわ…ええ女やなぁ」

アーセナルはちらりと彼女を見たが、興味が無いのか、すぐに目をそらした。

彼女は微笑みながら口を開いた。

「マックっていう子、ここにいるかしら？」

「ハルさん」

「マック?久しぶり！ちょっと見ない間に大きくなったんじゃない？」

マックがハルと呼んだ女性は、マックを見るなり早足に近づいて頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

エースが少し不機嫌そうに眉間にしわを寄せる。

「マック？その人は…」

カウンターでお茶を用意しながらジョニーが尋ねる。

「あぁ…俺が昔世話になった情報屋、ハルや」

「どうもーマックがお世話になってます」

ハルが付け足すように言った。

お世話て、おかんか、とジャッキーは不機嫌に顔をしかめた。

彼女はまだマックがキングと組んでいた時、贔屓にしていた情報屋だった。

キングが女好きというのもあったが、彼女は情報屋としての知識量がずば抜けてすごかった。

「ほんま、久しぶりですね。よくここがわかりましたね」

「私はてっきり、あの人が死んで、あなたはもうこの手の仕事から手を引いたと思ってたけど、あなた達の噂は予々聞いてるわ。ルーキーだけど、腕の立つ始末屋ってね。あの人も、今のあなたの姿を見たらきっと喜ぶでしょう」

そこで！と彼女は人差し指をたてた。

「あなたに仕事を依頼しようかと思って」

「俺に？ですか？」

「そう、これから二人で話さない？二人きりよ？」

彼女がなにか、意味ありげに二人、という言葉を強調した。