8UPPERS 1 (ページ17)

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その時だった。下から叫び声と金属音が響いた。

マックは目を開けて立ち上がる。

その音が下の階からどんどん近づいてくる。

そう言えば…３階へあがってこようとしていた敵がこない。

２階へ続く階段を見下ろす。

その瞬間、怯える敵の男の首をギラついたナイフが捕らえ、引き裂いた。

男の首を切裂いたのは、ジャッキーだ。

ジャッキーのスーツは血まみれになっていた。

ここにいた敵を全部…やったのか？

ジャッキーが３階にいるマックに目を向ける。

睨みつけられたマックは、思わず一歩後ろに下がった。

イラついたようにダンダンと足音を慣らしながらジャッキーが階段を上ってくる。

「アホか！アホや！ほんまアホや！何死のうとしとんねん！俺庇って死ぬとか絶対許さへんぞ！」

階段を上りきったジャッキー、後ずさりするマックを壁まで追い詰める。

「そない死にたいなら俺が殺したる。やから俺のために死のうとか、二度とすな！」

ジャッキーのナイフが、先ほど男にやったようにマックの首を捕らえた。

「見てみぃ…これ、血で真っ赤や…不思議なもんでなぁ、急いで下まで降りてここまで必死に上がってくる最中、これが手にしっくり収まって、どんどん敵を切っていった」

ジャッキーの手が俄かに震える。

「俺の手も真っ赤や、今のあんたと同じや、人殺しの最低なお前でも、人殺しの俺が死ぬなって言うとんねん、やから死ぬな」

言っていることがめちゃくちゃだ。

ジャッキーの手からナイフが滑り落ちた。

ガチャンと、ナイフが落ちた音が響いた途端、二人は糸が切れたように泣き始めた。