8UPPERS 1 (ページ16)

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３階まで駆け上がる。

突き当りの部屋に先にジャッキーが滑り込むように入った。

窓の下を覗けば、確かに車がある。

「マック！行くで！ちゃんと正面に…」

「いや、お前一人で行ってくれ」

ジャッキーは目を丸くしながら振り返る。

部屋の前に佇むマックの表情は、暗くて見えない。

「マック？」

「お前…やっぱこの仕事やめろ、お前みたいなやつには似合わへん…ここまで付き合うてくれて、ありがとな」

マックが何をしようとしているかすぐに分かった。

部屋を飛び出そうとしたジャッキーだったが、先にマックが戸を閉める。

数発の拳銃の音がすると、ドアノブが破壊されて床に落ちる、これでは外に出られない。

「っ…おいヨコ！ふざけんなよお前！考えとんねん！」

返事はない、聞いてんのかヨコ！と叫ぶが…ドアから足音が遠のいていく音、拳銃と金属音が遠くから聞こえる。

２階階段から何発も球が飛んでくる。

階段の壁を楯に下へと打ち込むが…数分が限界だろう。

数分あれば逃げられるはずだ。

なんとか時間を稼ぐべく、マックは球が飛んでくるのも気にせず打ち続けた。

腕と頬に弾がかすり血を流したが、痛みを感じてる暇すらなかった。

敵が階段を駆け上ってくる。

拳銃の球も切れた、もう打つ手はない。

「終わりか…これで良かったんや…なぁキング。俺頑張ったやろ？あんたのとこ行くし、地獄でも一緒に仕事させてぇな」

マックはまるで祈るように拳銃を両手で握りしめ、その場に座り込んだ。