8UPPERS 1 (ページ13)

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ほぉ、と感心したように村上が声を上げた。

「どえらい仕事しとってんなぁ」

「おん…キングがおらんくなってもう１か月…なんとかキングの仕事引き継ごうと思って頑張っててんけど…」

現状は、床に散らばる資料を見れば一目瞭然。

綺麗好きの横山ならありえない状況だ。

村上はずっと握っていた横山の手をそっと離した。

そして床に散らばった資料を拾って眺める。

「んなら、俺も手伝おか？」

「…え？」

横山が目を丸くして村上を見る。

「ヒナ…お前なに言うてんねん」

「実はな、俺もちょっと前にバイトしとった定食屋辞めて職探し中やったんや」

あぁ勘違いせんとってな、と村上が片手を上げる。

「これが危ない仕事やってのはわかってる。でもなんか、興味湧いてん、お前がおるからとか危ないからとかやなくて、やってみたいって思ったんや、素直に」

「でもお前…」

「ヨコがキングって人みて、ついて行きたいって衝動に駆られたんとおんなじや、大した理由やないけど、それで手伝うのはあかんのか？」

横山は、首を横に振ることが出来なかった。