宝石王の切り札【文豪ストレイドッグス】 (ページ6)

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エメラルドが1粒ページ6

＿＿＿僕の名は中島敦。
故あって、餓死寸前です。

「おーい、包帯人間さーん」

僕と、似てる…？

僕と少し似た黒髪の少年が包帯人間？を呼んでいた(と云うより探していた)。

「あ、そこの君。砂色コートを着た約180cmの成人男性見なかった？」

「え、僕ですか？…見てない、ですけど……」

「そっかぁ…ったくあの人は何時も何時も唐突に消え去っては＿「あ、あれ！」ん？…あ、マジか」

僕は何がどうだかわからないまま、僕に似た少年に「んじゃ、行って来て」と背中を押されて川の中に飛び込まされた。そして、包帯ぐるぐる巻きの男を回収した。

「有難うね、しょーねん。」

「ｹﾞﾎｯ…ｺﾞﾎｯ……い、いきなり酷いじゃないですか!!初対面なのに何なんですか?!」

ふと、包帯だらけの男が目をギョロりと開けた。どうやら起きたらしい。

「うぉっ？！」

「おはよーございます太宰さん。国木田さんがカンカンになって探してる頃ですよ、きっと。」

「助かったか＿＿＿ちぇっ。」

今〔ちぇっ〕つったかこの人？！
すると黒髪の少年は、包帯ぐるぐる巻きの男に愚痴愚痴と説教を始めた。

「あ、あのっ…き、君の名前は……？」

気まずいが、どうにか黒髪の少年に話しかけることが出来た。少年は「あぁ、言ってなかったね」と苦笑しつつ僕の方を向く、、、

「僕の名は、中島…中島逍だ。」

「えｯ…?!」

僕と、同じ苗字？！
これは、ただの偶然だろうか…それとも、僕の兄弟なのか…？
……否、兄弟なら彼も孤児院育ちのハズだ。それに、髪色や目の色も違う……。

だが、奇抜な髪が何故瓜二つなのか…声が何故似ているのか……それらが非常に気になった。