少女だけの物語

6話 ページ6

辻村の予想はあたり、Aは主に綾辻を中心に可愛がられ始めた


Aは今まで食べた事のないようなものや、服を与えられ嬉しそうだった


嬉しそうだったと云っても、顔は無表情なままAの周りに花が飛んでいるくらいだ


それでもAにとっては凄い成長だった


この頃にはすっかり綾辻の事務所にいる2匹の猫は、Aを見つけると足に擦り寄って来るようになった


その姿を見て綾辻は癒されていた


「あやつじ おなか へった おやつ」

「ああ、分かった すぐに準備しよう」
Aは綾辻のことをまだ舌っ足らずな声で呼ぶ


辻村の努力の甲斐あってまだ文では話せていないが、単語で自分の気持ちを伝えられるようになっていた





ある日の暖かい午後、綾辻の事務所には訪問者が来た


それはAを牢から解放した張本人 夏目だった


「元気にしておったか？」

「うん なつめさん ひさしぶり」


祖父と孫のような会話をしていると


「ちょっと待て」
「何故俺はさん付けではないんだ？」

「Aをかいほう してくれて あやつじに合わせてくれた から」



綾辻は、いつもは単語、しかもあまり喋らないAが沢山喋っていた事に驚いていた


一方 夏目はと云うと孫(ではない)の成長と自分のことをそう思っていてくれたことに感動していた


その頃Aはと云うと辻村の膝の上でウトウトしていた











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すみません！諸事情で題名を変えようと思います
【虚空を見つめる少女は……】から
【少女だけの物語】にしようと思います

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