少女だけの物語

21話 ページ21

「ただいま！」



Aはるんるん気分で綾辻探偵事務所の扉を開いた



「ゆきとっ！きいてー！」



綾辻はAになんと云うべきか悩んでいた



綾辻がこんなにも悩んだのは久しぶりだった



何故綾辻が悩んでいるのかと云うと



今日の朝、Aは綾辻に″だけ″何も云わずに森等の所に行ったからだった



其れに、″だけ″と云うことはAはこの事をある人に云っていたのだ



まぁ、其れは辻村以外にいないのだが



だが運のいいことに辻村は今日風邪をひき休んでいた



普通に説教等をすればいいのだが、Aは今きらきらとした瞳で綾辻のことを見ていた



綾辻が止めていたらこの顔は自分が見ることはなく、一日中拗ねて居ただろう



････････････



拗ねているところは見てみたい



ん゛ん゛



この事は一旦置いておくことにした



「それで、どうしたんだ」

「あのね、エリスからケータイ？を貰ったんだ」
「まいにちでんわする やくそく したんだ」

「良かったな」



と云って綾辻はAの頭を優しく撫でた



Aは気持ち良さそうに目を細めた



「一応確認しておくが、エリスとかいう奴は男ではないよな」

「ゆきと、なにいってるの？」
「おんなのこに決まってるじゃん」

「そうか」



Aは不審そうに綾辻を見たが、興味が違うものに移った



「なにあれ？」




Aは山積みになっている資料を指さした



「ああ、鬼が置いていったんだ」
「眼鏡をしたな」

「へぇー、鬼って眼鏡してるんだ」



「ｸｼｭｯ」



何処かで眼鏡をした鬼(仮)がくしゃみをした








――――――――――――――――――――――――――――――――――――――眼鏡をした鬼とは誰のことでしょう

22話→←20話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す