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「…え、えーっと…？」
「おねーちゃん！」
少女はバッと上を向いて、私の顔を上目遣いに見る。
ハルキくんよりも幼いであろう少女の顔は無垢そのもので、可能性が沢山詰まった輝かしい笑顔だった。
「たすけてくれてありがとう！！」
「………。」
「私達、戦う力がちっともないから、怖くて怖くて仕方なくて…こんなスラムにヒーローは絶対来ないから、医東先生を待つしか無かったの…。でも、あなたが来てくれて、本当に良かった。」
母親の彼女はゆっくりとこちらに歩いてくると、私に抱き着く娘の頭を、絆創膏の目立つ手で優しく撫でた。
「それに、よくよく見たら、あなた、医東先生に頼まれたお洋服着てるわね。あなたの物だったのね。お手伝いが出来て良かったわ。」
「あのね！あたしもなおしたの！！あかいえのぐゴシゴシしたの！！きれーになったでしょ！！」
「…貴方達が…？」
目をぱちくりすると、母親は艶然とし、娘はニシシ、と歯を見せて得意気に笑った。
「…ありがとうございます。あの、お代は…。」
「あら！いいのよ、お金なんて。私はこの子の命さえあれば充分だもの。この子の命を救ってくれた、それがお代で良いわ。」
うふふ、と手をあてて淑やかに笑う彼女を見ていると、なんだか肩の力が抜けてきた。
「…そう、ですか。」
「なぁ！嬢ちゃん。」
今度は渋い声が、イトウの向こうから聴こえた。
ハルキくんが自分の方に彼を引っ張ると、首にタオルを巻いたおじさまが姿を見せた。
「俺の家を守ってくれてありがとうなあ！この広場に面してるんだけど、いつあいつらに壊されるか堪ったもんじゃなくて…けど、嬢ちゃんのおかげで、家で待ってる女房も息子たちも無事だ！本当にありがとう！！」
「俺からも礼を言わせてくれ！」
「弟をたすけてくれてありがとう！」
「アンタがいてくれて良かった！」
「お前さん、このスラムのヒーローだよ！」
…気づいたら、私の耳では拾いきれないほどの声が沢山飛び交っていた。
「…な？菜月。杞憂だったろ？」
「うっせー…おいフウカ！」
ごめんね、と抱きついたままの彼女をそっと引き離し、イトウの方に向きを正す。
頭を軽くかいて、目を泳がせていた彼。ハルキくんがはよしろ、と小突いてようやく腹が決まったようだ。
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あずき(プロフ) - キュラーさん» キュラーさん、コメントありがとうございます！そうですね、いずれは四天王も全員出します。ですがまだまだ先は長いので、気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (2020年4月26日 13時) (
レス) id: 678c2a0d04 (このIDを非表示/違反報告)
キュラー(プロフ) - これ好きやわぁ〜〜、、、更新頑張ってください！四天王の四体もいつかは出すんですか？ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 722c4617d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あずき | 作成日時：2020年3月28日 17時
