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ドスマッカォもフウカも、両者は互いに睨み合っていた。
動けば斬る、蹴り飛ばす。
ピリピリと肌が震える空気。
先に動いたのはドスマッカォだった。
フウカに真っ直ぐ突っ込んで行き、鋭い鉤爪の生える前足で、フウカの手元を狙う。
だが…。
「ッおっも！」
右足、左足と交互に繰り出すものの、どちらも片裁ち鋏の峰で受け流される。
〈〜ッ！！いって！〉
体の一部が「アレ」に触れる度、そこから全身を鋭い痛みが走る。ドスマッカォはこれが「電流」であることが分からない。
迂闊に攻撃すれば先に体力が尽きる。
それは彼自身もよく分かっている事だった。
(…けど、オレサマは頭よくねーから、どうしたらいいか分かんねー。)
腕っぷしとスピードだけが、必要とされた。
だからそれ以外のもんは全部捨ててきた。
…捨ててきたら、本当は必要だったもんも失くしちまった。
〈…けどよー、捨てちまったもんは仕方ねーだろ。もうねェもん探したってしゃーねーよな。〉
「…何の話？」
キシャアア！！と鋭く鳴くと、今度は自身の身体の側面を使ったタックルをぶつける。
いくら中型鳥竜種といえど、防具のない体が受けるダメージはでかい。
受け流すのは無理だと判断し、バックステップで距離をとるフウカ。
…攻撃が届かない。
自分では強いつもりだった。今までナワバリに入って来た人間は全部追っ払ってきたし、自分に挑んだ他のオスも全員ぶっ飛ばしてきた。
それなりに、戦えるんじゃないかと思ってた。
だが、その思い込みの結果このザマだ。
仲間に見捨てられ、ヒョロヒョロしたメスの人間如きに負けかけている。
悔しい、悔しいに決まってる。
負けたくない。でも、負ける気しかしない。
このままだと、オレサマたちみんな、死んじまう。
…でもよー、前のボスが言ってたんだよな。
〈仲間に見捨てられても、お前だけは仲間を見捨てるな。ボスがボスたりうる理由は、着いてくる仲間がいるからなんだからな。〉
〈オレサマには、まだ捨ててねーもん残ってんだ！アイツらだけはぜってー捨てねーし、命に替えてもぜってー守ってやらア！！〉
それが、ボスの務めだと信じているから。
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あずき(プロフ) - キュラーさん» キュラーさん、コメントありがとうございます！そうですね、いずれは四天王も全員出します。ですがまだまだ先は長いので、気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (2020年4月26日 13時) (
レス) id: 678c2a0d04 (このIDを非表示/違反報告)
キュラー(プロフ) - これ好きやわぁ〜〜、、、更新頑張ってください！四天王の四体もいつかは出すんですか？ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 722c4617d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あずき | 作成日時：2020年3月28日 17時
