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「…本当に、お前には頭が上がらないよ。」
イトウは肩を竦めて笑った。
「…ところでイトウ先生。」
「お？何だ。」
「さっきから気になっていたのだけど、足元の紙袋、一体何？」
今どきの女の子が好きそうな、小洒落た茶色い紙袋。
彼の厳つ…失礼、威厳ある顔からはちっとも想像つかない物だったので、少し気になった。
「あァ、これか。」
実はな、とガサゴソと中を探るイトウ。
何だ何だと反射的に身構えた。
「じゃーん。」
「…え？」
バサり、と広がったそれは、私がここに来る前に着ていた、白いコートだった。
他にもその紙袋から、次々と私の服が飛び出してくる。
中でも1番目を引いたのは、
「…あ！！」
「へへ、やっぱこれ、大切な物だったんだな。」
私の両親が誕生日プレゼントに贈ってくれた、この世でたった一つの耳飾り。
朝露のように透き通ったガラス玉に、なんのモンスターから採ったのか、光に当たるとこの世のものとは思えないほど美しく輝く筆アクセサリーのような飾りがついている。
「俺が触るとなーんか静電気みたいなのが走るからさ。」
「何だその地味な嫌がらせ。」
盗難防止にしてはイラッとくるね…。
「お前の服、ボロボロで血まみれだったから、そういうの直すの得意なやつに直してもらったんだ。」
「…にしては、縫い目やら何やらが見当たらないね。」
布団の上に出された服一つ一つを、くるくるひっくり返してみるが、どこにも直したという形跡が見当たらない。
「これも『個性』のおかげかな？」
「そうだな。『縫製』って『個性』があるんだ。」
「…本当に便利な世の中だねぇ。」
私はほう、とため息をついた。
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あずき(プロフ) - キュラーさん» キュラーさん、コメントありがとうございます！そうですね、いずれは四天王も全員出します。ですがまだまだ先は長いので、気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (2020年4月26日 13時) (
レス) id: 678c2a0d04 (このIDを非表示/違反報告)
キュラー(プロフ) - これ好きやわぁ〜〜、、、更新頑張ってください！四天王の四体もいつかは出すんですか？ (2020年4月26日 12時) (レス) id: 722c4617d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あずき | 作成日時：2020年3月28日 17時
