19話 ページ20
「ほんとよ。名字が同じなのがわかんないの。立花なんて、めったにいないでしょ」
確かに。あんましいないよな。
みんなそれぞれ言いながら、そろって立花さんのほうを向き、いっせいに言ったのだった。
「お兄さんによろしく」
「あ、私も」
ついでに言う。久しぶりに話したいな。あの人との会話は飽きない。
立花さんはガタンと立ちあがって、教室の外に出てしまった。
あーあ。
「貴和、行ったほうがいいんじゃない?うちらも調査しに行くからさ」
貴和は立ちあがり、よろしく、と言って立花さんのもとへ向かった。
「じゃ、私たちも行きますか。二人とも行こう」
和典と和彦の顔を見て立ちあがった。
二人も立ちあがる。
「行くか」
「じゃあ若武、調査に行って来るね」
「おう、待ってるぞ、ちゃんとやって来いよな」
「ハイハイ、リーダー様。行ってきますよ〜」
そう皮肉を言い残して私たちは調査に向かった。
結果。成果なし。
私たちのセンは全くダメ。ハズレもいいとこだった。
調査を終えた私たちは、教室に戻ってきていた。
教室の扉を開けると、若武の期待を含んだ声がとんできた。
「どうだったっ?!」
私たちは顔を見合わせ、肩を竦めた。
「てんでダメ」
「成果なし」
「黒木たちはどうなってるかな」
やっぱりそっちに期待かな。
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作者名:ゆきしま | 作成日時:2021年3月25日 17時