【文豪ストレイドッグス】私は君で、君は君 4

168話 ページ21

ひょんな事から…と云うのは割と世の中に溢れているもので、偶然なのか実際は判らない

そう。本当にひょんな事から




「中島様ぁ〜」


「ア、アハハ…」




中々強烈な女性に好かれた


何で今なんだろう。
だって今は鏡花ちゃんが居てモンゴメリが居る時なんだよ？

其れに此の系統の人は敦あんまり得意じゃないだろうな

腕を絡められて胸が当たる




「モテモテじゃないかァ、敦？」


「あ、いや…」


「何か新鮮…」


「えっ、あの…」


「あら、敦って御名前ですの？素敵な御名前ですわね！あ･つ･し･さ･ま」


「……」




あぁぁぁぁ…辞めて欲しい…

表情筋が死んじゃうからぁ…


お願い鏡花ちゃん、睨まないで。何方かと云うと鏡花ちゃんの方が好きだよ。個人的に


何でこう云う時に限って乱歩さん居ない訳？

えっ、国木田さんに助け求めろ？かれこれ数分位無視してるよ

太宰さん？知るか。興味無いよ



てか此の人、なんか怪しいよ

そんな気がしてるだけだから口には出さないけど……うん。何か違う




「如何されたのですか？敦様ぁ」


「い、いい、いえ！べ、べべ別に…」




若し仮に、本当に怪しい人だとして…何の目的が有るんだろうか

色仕掛け系統で攻めて来てるのは判るんだけど…


否、抑もそう云う何かしらの人物なのかすらも判らないんだけど…

でも多分、目を光らせてる人は何人か居ると思う

此の女の人が来た瞬間に直ぐ反応したのは与謝野さんだし…




「何処…」


「えっ？」


「何処で其の人と知り合ったの…」




鏡花ちゃんの口調はあくまで普段通りだけど何処か棘がある

そして見えるよ。目から火花散ってるの




「うふふ、其れは道端でぶつかってしまったのです」


「…本当？」


「ま、まぁ…」




ぶつかったのは事実。だから即座に謝ったのも、君みたいに心配した顔をしたのも、手を差し伸べたのも事実




「そして私は悟りましたわ。此の方が運命の相手だと…」




かと云って其れで落ちるとは思わないじゃんか

本気で落ちてるかは判らないけど…





「白馬に乗った王子様が遂に目の前に現れたんですのよ」




何方かと云うと白虎です




「…随分頭に花が咲いてる人……」


「あら、チビちゃん？貧相ですけどくちは大きいのね」


「無駄な肉だらけよりかは幾分か良い。脂肪の塊…」


「うふふ…」




敦、今直ぐ代って呉れ。そしたら漏れなく両側の女子が火花散らして奪い合ってるから

色々複雑過ぎて反応に困る

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