【文豪ストレイドッグス】私は君で、君は君 4

161話 ページ14

「如何したンだ…？」


「敵対してる相手に云う訳ないだろ…」


「そりゃそーだ」




くつくつと笑う声が聴こえる


何で此の人味方じゃないんだろ。敦の糞上司と入れ替わって欲しい……
あ、駄目だ。あの人が向こうに行ったらヤバい。醶い。

意図して無いのに溜め息が口から零れる

不快な思いにならないで欲しい。是はあくまで自律神経を整えてるだけだから。深呼吸と一緒




「…相談乗るぜ？」


「だから、立場的に……はぁ…」




あれだ。此の人絶対に今の状況を楽しんで敦で遊ぼうとしてるんだ

此方は必死だよ？頭の中は。行動が追い付かないだけで




「手前、仕事如何した」


「そっくり其の儘返します。夜はポートマフィアの管轄だった気が…」


「あァ？今何時だと思ってンだよ」




携帯を取り出して電源を入れれば丑三つ時はとっくに過ぎていた

じゃあ仕事は終わってても不自然じゃないか


序でに目に入ってしまった凄まじい程の不在着信や電子手紙(メール)は此の際無視しよう

音信不通ってのも偶には良いだろ




「なァ、一杯付き合えよ」


「…頼むから立場を考えて下さい幹部さん！」


「俺ァ今休みなんだよ」


「だとしても誰かに見つかったら如何するんですか！仮令ば太宰さ…」


「うッし、此処に居るか」




別に帰って貰っても構わない。てか寧ろして欲しい。本当に。

見付かったら互いに互いの組織の中に居る誰かしらに口五月蝿く云われるのは目に見えてる


国木田さんとかに見付かったら面倒臭いし、太宰さんに見付かったら此方も中原さんも苛つくだけ。
ポートマフィアに見付かったら此方は捕まるし、中原さんは色々危うい…




「喧嘩かなんか知らねェけど、長引くのは厄介だぜ？」


「ですよね…最善を尽くします……」




喧嘩って訳じゃないけど…


君みたいに苦笑いしたら彼方は満足そうに頷いて頭をわしゃわしゃと掻き回す

犬みたいな扱いだ。猫科だけど…気にしたら負けか


と撫でられ乍らぼんやりと考えて居たら額に在る髪の毛が避けられら感覚がした
其の後直ぐに柔らかい何かが触れ、離れる時には小さく音が…

此の流れ、既視感(デジャヴ)が半端ない


うっわ…完全にあの時と一緒

何して呉れちゃってんだ




「…ちょっ、何するんですかっ！？」


「ククッ、変な間だなァ？」




少し反応遅れた

無理矢理引き剥がした彼は此方の様子に気付いて再び笑う


今気付いた。中原さん少し酒臭い

変に絡むのは止めて欲しい

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