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89話 ページ42

「ん………」




むくりと起き上がり自分の格好を見れば血だらけでボロボロだが無傷だ


と云う事は敦が治したって事であって、敦が出てきた癖に私に代ったって事だ




「はぁ……」




もう何度吐いたか判らない溜め息を吐いて辺りを見渡せば沢山の人が倒れていた


国木田さんに賢治君、尾崎紅葉もその内の一人だ。国木田さんと賢治君の近くに行けば胸が上下して居るのが判る


少し唸っているから意識はあるのだろう


更に辺りを見渡せば、鏡花ちゃんは何処にも居なかった




その事を確認して状況を整理する


確か車が宙に飛んでて、賢治君と国木田さんが参戦してくれて……それから………




あれ、何があったっけ


あぁ、そうか。そこからは敦が代わったのか。だから記憶が……




まぁ原作通りなら組合の人間が徒歩と空から来た筈だ


この惨状だったら事実だろう





もう入れ代わりが自由に出来るんなら一層の事そのまま戻れば良いのに




「何でそこまでして……」


『……くん…………虎君』


「!」




声がして其方に向かって歩けば、尾崎紅葉の近くに落ちていたレシーバーから音が出ていた




「えっと……?」


『やぁ少年、この間ぶりだね。生きてる?』


「……貴方が殺せと命令したんだ」


『まぁまぁ、そう怒らないでくれ給え。紅葉君は無事かい?』


「……」




何か苛ついたから無言でレシーバーを踏んで壊した

修理費なんて知ったこっちゃない


抑も何で敵の安否を敵に知らせなきゃいけないんだ。阿呆か




「中々やるねぇ、敦君」


「うわぁぁ!!」




背後からにゅっと顔が出てきて、肩に手を置かれた

自分でも判るくらい一瞬固まってしまったが、太宰さんだと判断が出来た為に敦がするであろう反応をした




「そんな驚かないでくれ給えよ」


「す、済みません…」


「うーん……そんな態とらしい行動をしないでくれ給え。余りにも不自然だったよ?」


「……」




知ってるわ。それくらい自覚あるわ


口に出すんじゃねーよ



あー、この人嫌いになりそう




「…まぁ良い。取り敢えず探偵社まで運ぼう」


「は、はい!」




運ぼうと自分から云い出した癖に、太宰さんは全然動こうとしない


ジトっとした目で彼を見詰めれば惚けたように、ん?と笑い乍ら首を傾げた




三人運べってか、この野郎



でも拒否する事も出来ないから手足を虎化して背中に賢治君、肩に国木田さん、尾崎紅葉をもう片方の肩に乗せる





一人位は手伝えよ

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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時

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