86話 ページ39
「仕事、貰って来たよ」
「……!」
そう云うと鏡花ちゃんは目をキラキラさせて封筒を見つめる
外に出て借りてきた発射式
「今回は唯のお遣いだし危険はないと思うけど、念の為の護身用に」
「お遣い?」
「そう。この証拠品をする法廷の判事に渡す事!初めての仕事だから小口だけど、社長直々の依頼だよ」
因みにこれが判事さんの顔ね。と云って写真を見せれば、目に焼き付けるかの様に眺めていた
「大丈夫。必ず成功させる」
「気合い入ってるね、最初の仕事だから?」
唇と目をキュッと可愛らしく閉じて首を横に振った
「最初の仕事は建物に潜入して二人殺すことだった」
「……」
そうだった。そう云えば鏡花ちゃんはずっと人を殺して居たんだった
余りに馴染み過ぎてその事をすっかり忘れていた
「私、頑張るから」
「うん。無茶しない程度にね」
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「………」
ねぇ、教えてくれない?
人を励ます方法とかそう云うの
一応クレープは片手に持ってるけど、その後の話し方が判らない
何分こんな体験した事が無いものでね。君みたいに言葉を掛けられないんだ
あー、でも
君ならこうするかな
「はい」
先ずは手に持ったクレープを渡して
「大変だったね。判事には社長が話を付けてくれたよ。御友人なんだってさ」
それから事実を先に述べて
「にしても鏡花ちゃん凄かったね、吃驚したよ」
そして感想を云う。勿論暗殺者の才能があるとか余計な事を思っても口にしないで飲み込んだ
「停電にする処までは良かったのに……」
何処までがアリなのか鏡花ちゃんの基準が判らない
「何か新しい特技を覚えれば善いさ。例えば……」
「はっ……!色仕掛け?」
「それはもう忘れなさい」
色々と無理があるし、未だ齢が十四の女の子が云う台詞じゃない
話が一区切りついて、首から下がっている携帯電話に目が止まった
「その電話、未だ捨てていなかったんだね」
既に鏡花ちゃんの携帯は業者に
「大事なものだから」
「……ねぇ鏡花ちゃん。使いたくないなら何処かに置くべきだと思うよ」
「!」
「若しそれが君の重荷になるのなら……ね?」
携帯を持つ彼女の手に力が籠る
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銀色ミカン(プロフ) - 1話から一気見しちゃいました!面白いです!更新待ってます。頑張ってください! (2017年12月17日 2時) (レス) id: c55513f974 (このIDを非表示/違反報告)
時雨零(プロフ) - お待ちしておりました!おかえりなさい! (2017年11月14日 0時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
芋娘@悪の伝道師?ウリエル?(プロフ) - ファッ!?オーストラリア!?あらまー…お気を付けて!! (2017年10月31日 14時) (レス) id: a51cded6e4 (このIDを非表示/違反報告)
紅月(プロフ) - オーストラリア!!!羨ましい…!楽しんで下さい!!! (2017年10月30日 22時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
ロイゼ@魔法契約民(プロフ) - いってらー、です! 楽しんできて下さいね(^^*) (2017年10月30日 16時) (レス) id: 677bf3b84c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のんのーー | 作成日時:2017年10月15日 20時